内容説明
「老い」のために、少しずつ崩れ始めた肉体に戸惑う青年と、南国のリゾート地を突然襲った悲劇との交錯。―日常性の中に潜む死の気配から、今を生きる実感を探り出そうとする11の短篇集。小説家は、なぜ登場人物の「死」を描くのかという謎を、ノルマンディ地方の美しい風景の中で静かに辿る「『フェカンにて』」。経済のグローバル化のただ中で、途方に暮れる一夫婦を描く「慈善」など。
著者等紹介
平野啓一郎[ヒラノケイイチロウ]
1975(昭和50)年、愛知県生れ。京都大学法学部卒。’99(平成11)年、大学在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
324
いずれもが「新潮」をはじめとした文芸誌に掲載された11の短編を収録。中には「一枚上手」、「クロニクル」や「慈善」のように通俗的な(わざとそうしたのだろうが)ものもあるが、概ねは実験的な文体と手法を試みたもので占められる。「やがて光源のない」、「義足」、「異邦人#7-9」、「モノクロウムの街と四人の女」は、いずれもシュールレアリスティックな色彩を帯びつつ、それぞれに固有な小説世界を形成している。とりわけ「モノクロウム」の極度に造形的でツクリモノめいた感覚は、他に類を見ないものかと思われる。2017/09/02
アマニョッキ
51
なるほど平野啓一郎さんが実験小説を書くとこうなるのですね。すごく面白かったけれど、多分半分も理解できてないんやろうな。「女の部屋」とか誰かにズバッと解説してほしい気もするけど、解説とかで楽しむ小説じゃないんですよねきっと。基本わたしは平野さんの撰ぶ言葉に惚けるたちなのですが、途中やおら鼻持ちならない気分になったりもして、結局は平野さんの掌で踊らされている次第でありました。冷たくされてもやっぱり好き、みたいな。惚れたが負けですね、はい。2018/11/17
かみぶくろ
45
3.8/5.0 天才作家様の実験的短編集。内容のみならず手法も含めて実験的で、筆者の思考能力と表現力の深さ広さを堪能できます。冒頭の人が老いとともに砂になっていく話、なんともいえない哀切さがあって、かなり好きだなあ。2024/08/10
水色系
15
平野啓一郎さんの昔の作品が知りたくて手に取る。が、全体の2割くらいしか頭に入ってきてないような。難解。1作目「やがて光源のない澄んだ乱反射の表で……/『TSUNAMI』のための32点の絵のない挿絵」の、加齢とともに砂化していく人間の話はなんか好きだった。2022/01/07
ヨクト
13
挑戦的、意欲的、実験的な作品ばかりの短編集でした。「鏡」は短いですがドキッしました。あとは「義足」も好きですね。2017/01/13
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