新潮文庫
マネー資本主義―暴走から崩壊への真相

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  • サイズ 文庫判/ページ数 304p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101283722
  • NDC分類 338.9
  • Cコード C0133

出版社内容情報

百年に一度の経済危機を引き起こしたのは何だったか。世界を呑み込むマネー経済の本質を、当事者への直接取材で抉るドキュメント。

世界を大恐慌という恐怖の淵に立たせた2008年秋のリーマンショック。何が“百年に一度”の危機を招いたのか。怪物のような金融商品を作った天才たち、年金基金の役回り、「超金余り」現象を生んだ背景……日米政府関係者やウォール街のトップら当事者の肉声が浮き彫りにした「失敗の本質」。出口なき経済昏迷の元凶を明らかにし、大反響を呼んだNHKスペシャル同名番組の文庫化。

内容説明

世界を大恐慌という崩潰の淵に立たせた2008年秋のリーマンショック。何が“百年に一度”の危機を招いたのか。怪物のような金融商品を作った天才たち、年金基金の役回り、「超金余り」現象を生んだ背景…日米政府関係者やウォール街のトップら当事者の肉声が浮き彫りにした「失敗の本質」。出口なき経済昏迷の元凶を明らかにして、大反響を呼んだNHKスペシャル同名番組の文庫化。

目次

第1章 投資銀行―暴走はなぜ止められなかったのか(投資銀行トップへの怒り;なぜマネーは暴走したのか ほか)
第2章 超金余り―カリスマ指導者たちの誤算(“金融の神様”の失墜;グリーンスパンの「自由放任主義」 ほか)
第3章 年金マネー―「安全第一」からヘッジファンドと手を組むまで(2割、3割マイナスは当たり前、年金基金総崩れ;金融危機は「我が事」 ほか)
第4章 金融工学―ウォール街の“モンスター”(「偉大なる先生」との出会い;金融工学の世界を体現する男 ほか)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MAEDA Toshiyuki まちかど読書会

40
図書館本。証券化の技術を水の浄化システムに例えた説明がわかりやすかった。しかしリスクが一杯詰まった汚泥を買った投資家が、リスクが現実になった時、損失が巨額すぎて負担しきれず、結局、一般市民にその負担を押し付ける。その様子に憤りを感じる。また市場は強欲と恐怖感のふたつの感情が動かしているとの記述を見て、そんな市場で資金運用しても良いのか?市場とは賭博場?強欲を放置して良いのか?お金とは何?といろいろ考えてしまった。これらのテーマの本をいろいろ読んでみたいと思う。2016/01/10

シュラフ

29
2008年秋のリーマンショックを特集。当時、営業部にいて注文のFAXがぱたりと止まってしまったあの恐怖感をあらためて思い出す。リーマンショックがなぜおこったのかという直接的要因を導き出してはいないが、それに至るいくつかの伏線を丹念に追っている。投資銀行の強欲、金余り、投資家側の都合、金融工学という新しい手法、これらのものが複雑に絡みあってリーマンショックはおこるべくしておきた。それではリーマンショックからの教訓はなんだろうか。残念ながら分からない。人には賭博者として破滅まですすんでいく性(さが)がある。2016/05/11

とみやん📖

12
テレビ番組のNスペに基づく書籍なので読みやすい。リーマンショックのすぐ後の取材ゆえ、当時の切迫感が文章から伝わってくる。投資銀行、金融政策当局、年金基金、金融工学を生み出した秀才たち、四つのファクターから掘り下げる。リーマンショックはITバブルから住宅バブルへのバブルリレーとの表現が的を得ている。日本のゼロ金利政策が一兆ドルとも言われる円キャリにつながり、世界中からアメリカにマネーが流れ込んだだけでなく、オイルマネー、チャイナマネーが米国債を求め長期金利が低下したと。当時と今はとても似ていると感じた。2022/01/16

NDS

12
何故リーマンショックは起きたかを、投資銀行、金融政策担当者、ヘッジファンド、金融工学者の4者の視点から分析した本です。何でもそうかもしれませんが、技術に悪徳が絡むとろくなことが起きません早すぎる技術の発展は人間の欲望を冗長させ、尚のこと社会問題を深刻化させるものです。このようなことがあっても、理化学や数学を学んだ人間の多くを金融の現場に呼び込み、取引サーバーの増強であったり、より利益を出せるプログラムの構築であったり、社会の発展に懐疑的な人材の使い方をしています。2015/10/25

Miyako Hongo

12
同題NKHスペシャルの制作話も含めた書籍。金も時間もかかってる番組だから、ここは骨までしゃぶるべき。 □70年代の為替自由化からリーマンショックに至る金融バブルの歴史を、時代背景と金融商品の発展をメインに解読。いわゆる景気の良さは多少なりとバブルを含む。それを制御するのが国の金融政策だが、金融のグローバル化で歯止めが効かなくなった。数学の天才が本来商品にならない物を商品にし(金融版・大量破壊兵器だそうな)、投資会社の熾烈な競争が強欲と恐怖のチキンレースになだれ込んだ。 □お金って、本当に何なんだろう?2015/02/11

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