内容説明
あの日々が夢のことのようにさえ、思える時がある―。ある者はネパールから、ある者はトルコから、日本人ばかりが集まる異国の宿「クミコハウス」。満月の下、大河の悠久を前に、明日は旅立つ者同士語り合う…。中国の大地でひしめく人波に揉まれ、ミャンマーの市場で少女と出会う。寝台バスに揺られ、西へ西へ。インドへと向かう、さすらいの物語。『上海の西、デリーの東』外伝。
目次
浦江ホテル
トイレの話
人の価値
長い長いバスの旅
何してんの?
カルマ落とし
ラッキィ・トッケイ
プノンペンのカフェにて
カオサンロード
旅する本
Yさんのこと
ヤンゴンの市場にて
イーモン、それは違うよ
ハロー、ジャパニ
大麻
クミコハウス
絶対
クンダリニ覚醒事件
ミドリさん
著者等紹介
素樹文生[モトギフミオ]
ニューヨーク生れ。広告代理店勤務、出版社勤務を経て1995(平成7)年『上海の西、デリーの東』(新潮文庫に収録)でデビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねなにょ
13
小説かと思っていたら、青春旅日記みたいな本だった。『深夜特急』の薄~い軽~い感じ?…と言っても、悪い意味でなくて。知り合いのエピソードに良く似た話があって「もしや!?」とちょっとドキッと。きっかけは「遠い異国の空の下で寝転んでみたいと思ったのがはじまり」とあったけれど、私も、学生時代に、放浪の旅を経験しておけば良かった。「バイバイ日本。 ようこそアジア。 だから日本もアジアだって。」この文見て、すっきり。だって雑誌なんかで「憧れのアジア」とかいう特集を目にする度に、ちょっとオカシイと思っていたんだもん。2013/07/21
Keizy-soze
11
バイバイ日本。 ようこそアジア。 だから日本もアジアだって。 から始まるゆるーいアジア旅日記。 時間がゆるやかに感じれます。2015/12/05
ジュースの素
6
クミコハウスとはインドのバラナシで日本人の女性クミコさんが経営している安宿。この本はクミコハウスの事は一部だけだった。上海から西へ夜行バスに揺られて行く話や中国人の話など。本書は15年以上前の物で当時はバックパッカー物がとても多かった。いろんな安宿で沈没してマリファナやハッシシをやり、トカゲの鳴く声を聞き、だらだらと過ごす無為な日々。今でもそういう人はいるだろうけど この手の文を書くヒトはもういない。読者も飽きてる。怠惰感が漂う。2018/04/03
ぺんぐぃん
4
40年前バックパッカーでインド・ネパールを旅したので、当時にタイムスリップしたみたい。懐かしいインドの日常を少し思い出した。あまりにも甘い若者の、つたない旅。それも経験だよな~と今なら思える。パラゴン、ジュライ、サルベーションアーミー等の名前を目にして、思い出の底から風景がよみがえった。ベナレスのクミコハウスは噂には聞いていた。ただ、日本人だらけを嫌って、近づかなかったと記憶している。著者近影を大好きな写真家小林紀晴が撮っていて、嬉しかった。2018/12/26
サウス@大学生活始めました
4
いいね。インドに旅たちたい。 旅に出るか2017/05/16