内容説明
浅田彰と島田雅彦の二人が、ダンテ、ニーチェ、フーコー、三島由紀夫、ヴェンダースという5人の作家、思想家、映画監督について自由に大胆にそれでいて繊細な新感覚で語った対話集。二人の対話は、従来の哲学的・文学的視点にとらわれることなくジャンルや時空を超えて軽やかに飛び交い〈知〉の宴を繰り広げている。現代思想の再構築につながる様様な問題をつかむのに最適の一冊。
目次
1 ダンテ―愛の超新星
2 ニーチェ―超人のオペラ・ブッファ
3 フーコー―悦ばしき回帰
4 ミシマ―模造を模造する
5 ヴェンダース―廃墟の光
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
52
思想史・文学史的な価値がある作品だと思う。できれば復刊していただきたいくらいだ。2018/03/13
メタボン
27
☆☆☆ 一割も理解できているかどうか。相手が話しているときに、自分の話を考えている印象。それほど会話はかみあっていない。まあ圧倒的に浅田彰の博覧強記ぶりが披露されている気がする。島田がどちらかというと俗っぽい方へは話を持っていこうとするが、浅田が見事に超マニアックな方へ話を進める。そもそも使っている言葉もわからないし、引用する文献は一体どれほどの人が読んでいるの?と思うマイナーな書。それでも知的好奇心をくすぐる名著とは思う。ヴェンダースの項の脱線ぶりが楽しかった。2019/09/23
なっぢ@断捨離実行中
5
浅田彰と島田雅彦が五人の作家・思想家を大胆に語り尽くす対談集。ともかく浅田の博覧強記(この人は基本的に書かない人だが)ぶりに圧倒されっぱなしだった。どの章も素晴らしいが特に三島の章は必読だろう。ニーチェ―コジェーヴの線から読み解く点では至って穏当、常識的で凡庸ですらあるが、議論の強度は圧倒的。「本物の偽物」(浅田)には思わず膝をうってしまった。戦後日本の「必然的な特異点」としての三島を再考するいい切っ掛けを与えてくれるだろう。特にニーチェもロクに読めないホシュ論壇人は必修でオナシャス。2017/01/16
hurutakouichi_gallerys
0
ネタ本。今の時代にまだ残る教養。2025/04/14