出版社内容情報
苦悩しつつも修道士となった男。ナチス親衛隊に属し冷徹な殺戮者と化した男。旧友ふたりが火花を散らす。壮大な歴史オデッセイ。
家族を悲劇的に失い、神に身を捧げる修道士となった、マティアス。怜悧な頭脳を活かすため、親衛隊に入隊したアルベルト。寄宿舎で同じ時を過ごした旧友が再会したその日、二つの真の運命が目を覚ます。独裁者が招いた戦乱。ユダヤ人に襲いかかる魔手。信仰、懐疑、友愛、裏切り。ナチス政権下ドイツを舞台に、様々な男女によって織りなされる、歴史オデッセイ。全面改訂決定版。
内容説明
家族を悲劇的に失い、神に身を捧げる修道士となった、マティアス。怜悧な頭脳を活かすため、親衛隊に入隊したアルベルト。寄宿舎で同じ時を過ごした旧友が再会したその日、二つの真の運命が目を覚ます。独裁者が招いた戦乱。ユダヤ人に襲いかかる魔手。信仰、懐疑、友愛、裏切り。ナチス政権下ドイツを舞台に、様々な男女によって織りなされる、歴史オデッセイ。全面改訂決定版。
著者等紹介
須賀しのぶ[スガシノブ]
1972(昭和47)年、埼玉県生れ。上智大学で史学を専攻。’94(平成6)年、『惑星童話』でコバルト・ノベル大賞読者大賞を受賞し、デビュー。以降、ライトノベルを中心に多くの小説を発表する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...
95
ヒトラーによる独裁政権下のドイツ。それぞれの道を歩むこととなった二人の青年にも、容赦なく運命の魔の手は忍び寄る。どこまで非人道的で残酷な行為が赦されるのか。覚悟を決めて第Ⅱ巻へ!2017/10/09
たいぱぱ
83
1935年からのドイツが舞台なら重苦しくないわけがない。主人公のナチスSD所属のアルベルトに対しシンパシーZEROなんだけど、須賀さん読ませてくれます。ナチスドイツの成り立ちやどう巨大化していき破滅に向かっていくのか全然知らないことに気付く。カトリック協会や共産主義とナチスとの関係など歴史の勉強になることばかりだ。「神なんかに人は救えない。人を救えるのは人だけよ!」ユダヤ人少女の叫びは真っ当だ。ナチスドイツに対するバチカンの反応には反吐が出る。片やナチス、片や修道士。ふたりの幼馴染の行く着く先はどこに?2021/02/10
Rin
75
時代は1936年のドイツ。ドイツに生まれ育ち、ドイツ語しか話すことのできない人でさえ、純血か否かで相応しくないと切り捨てられる。それは障がい者も同じで、楽にしてあげるという言葉の免罪符のもと、本人や家族の意思は無視され切り捨てられてしまう。ナチスに心酔しヒトラーを崇める人々の姿には、洗脳という言葉が頭をよぎるほどに不気味さや恐ろしさを感じる。その不穏な空気はドイツ国内から国外へと広がって。宗教や信仰、裏切りや策略に国民とは?体内を流れる血はそんなに重要なのか?と歴史を通じて重く問われている気がします。2016/03/21
青蓮
74
第二次世界対戦前後の時代を舞台としたドイツで巻き起こる愛憎劇。ナチスってカソリックまで弾圧してたなんて‼戦況が悪化していくにつれてマティアスとアルベルトが時代の闇の渦にどんどん巻き込まれてゆく…後編へ2018/05/06
ケイトKATE
68
『神の棘』は、マティアス・シェルノとアルベルト・ラーセンの二人の主人公を軸に、ヒトラー時代のドイツと第二次世界大戦が描かれている。本書は、神への信仰によって人は救われるのかという主題を主人公の一人、マティアス・シェルノの人生を通して書かれている。正直に言うと、私は信仰心が薄く宗教に対して苦手なところがあり、マティアスの生き方を完全に理解した自信はない。私がマティアスに対して理解したのは、彼に起きた苦難の数々は、非常に過酷なものであり何度も彼を絶望へと追い詰めた。2018/11/23