出版社内容情報
「お前さんは真先に私の肥料(こやし)になったんだねえ」――『刺青』で鮮烈な文壇デビューを果たし、『痴人の愛』『卍』『細雪』と名作を多く遺した谷崎潤一郎。性の不一致を理由に妻を友人に譲渡、義妹といかがわしい交際をする等、私生活は世間の大顰蹙を買う一方、飽くなき妄執を巧みな筆致と見事な日本語で描き出した作品は耽美の極みと絶賛される。公私共に異常に乱れた巨匠の文学世界を徹底解説
内容説明
「お前さんは真先に私の肥料になったんだねえ」―『刺青』で鮮烈な文壇デビューを果たし、『痴人の愛』『卍』『細雪』と名作を多く遺した谷崎潤一郎。性の不一致を理由に妻を友人に譲渡、義妹といかがわしい交際をする等、私生活は世界の大顰蹙を買う一方、飽くなき妄執を巧みな筆致と見事な日本語で描き出した作品は耽美の極みと絶賛される。公私共に異常に乱れた巨匠の文学世界を徹底解説。
目次
1 妖艶なるデビュー―“刺青”“お艶殺し”
2 母性への憧れ―“母を恋うる記”“少将滋幹の母”“夢の浮橋”
3 女性は主張する―“痴人の愛”
4 モチーフはなんだろう―“卍”“蓼喰う虫”
5 悲しくも凛々しく―“盲目物語”
6 首肯されますか―“春琴抄”“蘆刈”
7 美女と鼻なし―“武州公秘話”
8 大正期の二本道―“二人の稚児”“人面疽”“白昼鬼語”
9 庶民の愛のコメディ―“猫と庄造と二人のおんな”
10 鶴は幸いにして雪に妙なり―“細雪”上・中巻
11 美はすでに滅びて―“細雪”中・下巻
12 文学と女性の関わり―生涯と作品を訪ねて
13 若い人には薦めないが…―“鍵”“瘋癲老人日記”
著者等紹介
阿刀田高[アトウダタカシ]
1935(昭和10)年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、’78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。’79年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞、’95(平成7)年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞を受賞。2003年紫綬褒章、’09年に旭日中綬章を受章。’18年には文化功労者に選出された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
Nobu A
SAT(M)
Shinya Fukuda
aoi