新潮文庫
「閑」のある生き方

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  • サイズ 文庫判/ページ数 209p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101251219
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

善く生き、善く老いるために―人生の折り返し点で、自分の生き方を見直してみよう。「清貧の思想」を説いて現代人に警鐘を鳴らした著者が考える人生後半の生き方の極意。何にもとらわれず、自由に人生を愉しむために必要なことは何か。生活を単純化し、軸足を「社会」から「自分」へ移してゆくこと。自分一個の意識を、徐々に高めてゆくべきこと…先人に学ぶ、実践的な生活の知恵。

目次

老年の準備は四十代から始めよ
自分一個の意識を徐々に高めてゆくべきこと
マインドの暮しからハートの暮しへ
生活を単純化すべきこと
少しずつ軸足を社会から私の方へ移してゆくこと
お金より「閑」を。人生にはする事よりしない事の方がいい場合がある
実践上の忠告あれこれ
エピクテートスの教え
万事に換えずしては、一の大事成るべからず
祝福さるべきは、若者ではなくて、よく生きた老人である
生きるのは「今ココニ」しかないと心得ること
自分を信じろ。周りに流されるな。力むことはない。―レジー・ジャクソン
社会という車を乗り捨てる―加島祥造
自足した定年後の人生、二、三の例
自分の場合
高雅・閑行、自在の身

著者等紹介

中野孝次[ナカノコウジ]
1925‐2004。千葉県生れ。東京大学文学部卒業。ドイツ文学者としてカフカ、ギュンター・グラスなどの翻訳に携わり、日本文学の批評、小説、エッセイなど多彩な執筆活動を続ける。1976(昭和51)年『ブリューゲルへの旅』で日本エッセイストクラブ賞を、’79年に小説『麦熟るる日に』で平林たい子文学賞を受賞。’88年愛犬との思い出を綴った『ハラスのいた日々』は新田次郎文学賞を受賞。’92(平成4)年、西行や良寛の簡素な生き方から日本人の生活を問い直した『清貧の思想』を刊行、ベストセラーとなった。古典を読み解き、人生とは何かを追求する作風で知られ、『セネカ 現代人への手紙』などの著書がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HIRO1970

15
⭐️⭐️⭐️中野さんの本は若い時からわりと好きでした。久しぶりに手に取りまして、やはりしっくりくるのを感じました。本書では40代の甥に語りかける形で処世訓とも言える老年期の良さと現役時代からの準備と助走の大切さを説いたものです。後書きで本書にも何度も出てくる友人曰く、喜寿を迎えた著者はこの翌年に鬼籍になったそうで何とも切なくなりました。沢山の遺作がありますので遅まきながらこれから手に取りまして学ばせていただきたいと思います。オススメの一冊です。2014/10/23

うみ

11
新聞を読んでいた時、この本の「エピクテートスの教え」とカヌー選手の薬物混入事件を絡めて書かれた記事を読み、興味を持った本。エピクテートスは紀元1-2世紀のローマの哲人である。著者・中野氏も一番強い印象を受けたという「自分の力のうちにあって自由になるものと、自分の力のうちになくて自由にならぬものを峻別せよ」という考え方は現代の私たちも学ぶ点が大いにあると思った。社会的地位や権力などの外にあるものではなく、自分の力のうちにある考え、行動、意欲などにおいていかに立派に生きているかが重要である。2018/02/10

KAZOO

5
叔父が甥に自分の経験談や、読んだ本からの引用などを駆使して、人生の先輩として生き方のヒントを与えるという形式になっています。確かにここ何年かはぎすぎすした感じがしていますので、筆者の言うとおり少し「閑」を持っていくことも必要ではないかと感じました。小冊子ですがなかなか味があります。2013/05/16

荏苒 byn

1
★★★★徒然草の112段をモチーフとする本。老年の手仕舞と放擲の勧め。セネカの「書簡」のオマージュでもあって、ルキリウスに似た龍太郎という人物に向けた手紙形式の生き方指南書。 しかしながら、ローマ舞台の英雄達のエピソード等に対して、現代日本の事象を並べるスケールが大違い。スキピオやローマを救った一族に対して、日本の腐敗とか家財の無駄とか。 セネカやエピクテ―トスやシレジウスとヘッセを書く人は他に見ないが、志と中身にギャップ。 氏の趣味の碁打は、兼好はやるなと言ってる(111段)。2016/11/12

kayoshi

1
★★★・・ 2007/10/03

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