内容説明
東京湾に浮かぶ月島。ぼくらは今日も自転車で、風よりも早くこの街を駆け抜ける。ナオト、ダイ、ジュン、テツロー、中学2年の同級生4人組。それぞれ悩みはあるけれど、一緒ならどこまでも行ける、もしかしたら空だって飛べるかもしれない―。友情、恋、性、暴力、病気、死。出会ったすべてを精一杯に受けとめて成長してゆく14歳の少年達を描いた爽快青春ストーリー。直木賞受賞作。
著者等紹介
石田衣良[イシダイラ]
1960(昭和35)年、東京生れ。成蹊大学経済学部卒業、広告制作会社を経てフリーランスのコピーライターに。’97年(平成9)年9月「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、続篇3篇を加えた『池袋ウエストゲートパーク』でデビュー。2003年7月『4TEEN』で直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
687
4人の中学生の、中1の終わりから間もなく中3を迎えるまでの1年間を描く、8つの連作短篇からなる作品集。年甲斐もなく胸がキュンとなったりもする。特に言えば巻頭の「びっくりプレゼント」と「ぼくたちがセックスについて話すこと」あたりか。よくできた物語だと思う。直木賞にも相応しいだろう。東京の風景や風俗が変わっても、14歳は変わらないのだなあとの感慨も抱く。ただ、気になるのは、ここに描かれた14歳は石田氏の思い描くそれであって、はたしてこれが今の(出版は10年前だが)14歳のリアルだろうかということだ。2018/10/22
遥かなる想い
313
子供の課題図書だったので、目を盗んで読んだが私には少し(大きく)若すぎたかもしれない。月島中学に通う中学二年生四人組が一年間で経験する 様々な出来事。楽に読める本である。2010/06/02
mae.dat
302
青春ものと思って読み始めたんだけどね。読み始めた直後、うわっ苦手って思ったよ。中坊のちょっと背伸びをした(?)下ネタ満載でね。辟易とするよ😞。それは最後迄付き纏うんだけど、やっぱりちゃんと青春はしていたよ。儂とは全然違うステップだけど、友を想い、心身共に傷付いたりしながら、様々な経験を重ねて行くのね。この先心配しか無いけど( ໊๑˃̶͈⌔˂̶͈)。『あとがき』に本書が著された経緯みたいな事が書かれているのですけど。成る程、4人の成長物語であると同時に、衣良さんの作家としての成長の証でもあったんですね。2024/01/19
再び読書
256
石田氏の代表作と言われているので、遅ればせながら読みました。最初は「スローグッドバイ」「1ポンドの悲しみ」に感じた心地よい読書感と異なり、違和感を感じたが、次々と話が進むうちに、14歳が感じさせる清々しさが、伝わり最後は流石に直木賞受賞作だなと納得。どこかで、大人でも無い、子供でも無いという微妙な時期の葛藤や、清々しさが心の沁み渡る。ぼちぼちこれからも読んでいきたい作家になりました。まずは「6TEEN」から続けていきます。2015/03/12
AKIKO-WILL
254
【新潮文庫 100 2015】石田衣良さんも私には初作品です!名前も顔も知っていたけど、作品がドラマ化もしていて人気作家だけど少年のストーリーにはなぜか興味が湧かず、だからずっと読まずにいましたが、新潮文庫100冊のに参加したのでこの機会に読みました。中学二年生の4人の少年たちの青春がみずみずしく描かれてますね。ダイのエピソードが一番ジーンと来ました。ナオトの病気もこの本で知りました。読み終わって直木賞受賞した作品だったとは!十代で読んだらもっと共感できたかな?2015/11/15