内容説明
あの『ロビンソン・クルーソー漂流記』には実在のモデルがいた!三百年前に遡るその足跡を追う旅が始まった。スコットランドから南太平洋の島まで、足と文献と想像力を駆使して憧れの“ロビンソン”の実像にどこまで迫ることができるのか?そして“ロビンソン”の暮した島で著者が見つけたものとは?若き探検家の著者が、十年がかりで地球を六周半した大冒険探索ドキュメント。
目次
第1章 三〇〇年前の奇跡を追う
第2章 故郷
第3章 ロビンソン・クルーソーの島
第4章 探検
第5章 埋もれた四年四ケ月
第6章 海に消えた男
第7章 伝説
第8章 発見
著者等紹介
高橋大輔[タカハシダイスケ]
1966(昭和41)年、秋田市生れ。明治大学在学中からバックパックを担いで世界の6大陸を放浪。旧約聖書のシバの女王、アイヌの口承伝承として伝わるコロポックル、アマゾンのエルドラードなど神話や伝説、昔話を水先案内役とし、失われた人物、民族、都市を探し求めて文献と現場への旅を重ねている。王立地理学協会(本部:ロンドン)および探検家クラブ(本部:ニューヨーク)フェロー会員
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Sakie
16
デフォーの創作であるロビンソン・クルーソーのモデルであるところの船乗り、セルカークは確かにその島で生きていた。1721年に死去したセルカークの足跡は途切れがちでもちゃんと残っている。すり減りきったナイフとラストの大発見が読みどころではあるが、手がかりを追う探求の旅は、シーナさんや高野さんと違ってひたすら真面目な文章なので、少々退屈気味だった。クルーソーもセルカークも、見晴らしは良いが周りから見えにくい場所に住処を建てて、さらに木を植えた。ということは、デフォーはセルカークに直接会ったのだろうか?2023/07/08
pyonko
5
男のロマンだと思う反面、やっぱり大変だと感じる。文献を調べて現地に行って、実際に過ごしてみて。それでも結果が出ないこともある。2016/03/14
左近
2
検索しても単行本が出てこなかったので、暫定的にこちらで登録。ロビンソン・クルーソーのモデルとなったアレクサンダー・セルカークという船乗りについては自分も知っていた。残された記録から判断する限り、性格に問題がありそうな感じ。小説を読んだ時、動植物が豊かな、随分と恵まれた場所に漂着したものだと思ったが、実際の島もそういう所で、航海中の休息地としても利用されていたと知って驚いた。単行本の時点では謎のままで終わった部分が多かったが、文庫版では新発見があったらしく、とても気になる。いつか読もう。2020/10/12
ウチ●
2
ロビンソン・クルーソーにはモデルとなった男が実在した。彼の足跡を辿っての著者の渾身の追跡行。モデル氏は実のところかなり奔放なかた。各国が公に海賊を雇い、活躍させていた時代の話ですから、そのあたりの話は中々に楽しい。単行本の時点では単にそこまでの作品・・・だったのですが、文庫版では何とその後の大きな発見が!一章まるまる追補されています。まさに著者の執念です。最後は少し環境についても考えさせられました。2017/11/05
rincororin09
1
ロビンソン・クルーソーのモデルとなった男の数奇な運命はさておき、いささか生活に疲れが出てきた僕にとって、著者の一途な情熱と行動力がまぶしかった!2014/01/23