出版社内容情報
荻原 浩[オギワラ ヒロシ]
著・文・その他
内容説明
過労死続出の職場を辞め、Uターンしたのが9年前。啓一は田園都市の市役所勤務。愛する妻に子供たち、あぁ毎日は平穏無事。…って、再建ですか、この俺が?あの超赤字テーマパークをどうやって?!でも、もう一人の自分が囁いたのだ。“やろうぜ。いっちまえ”。平凡なパパの孤軍奮闘は、ついに大成功を迎えるが―。笑って怒って、時々しんみり。ニッポン中の勤め人の皆さん、必読。
著者等紹介
荻原浩[オギワラヒロシ]
1956(昭和31)年、埼玉県生れ。成城大学経済学部卒。広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。’97(平成9)年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
356
お仕事小説のオススメで検索かけると必ず出てくる一冊。まずまず楽しめたというところ。旧弊と既得権益で凝り固まった組織模様などは身近に感じられ、のめり込んでいける反面、その打開策が、関係する人物の性格のせいもあって余計に、トリッキーな変化球に感じて醒めてしまう。冒頭で描かれる末期的状況が果たしてアレだけでそんなに好転するか?という疑問も払拭出来ない。リアリティ追及型か、割りきったフィクションで思い切り振り切っていくのか、その狭間で揺れた読後感。結末の持っていき方が、なおさらその印象を強める。2020/02/02
しんたろー
192
故郷の地方都市にUターンして市役所で公務員になった啓一が、赤字テーマパーク再建の為に出向させられての奮闘記。10年以上前の作品なので少し古く感じる部分もあるが、今も変わらない「役人根性」や「政治家の独善」を皮肉りつつ、荻原さんらしいユーモア&人情で楽しませてくれた。啓一が何処にでもいそうな小市民で、その優柔不断さや自己主張できない感じが等身大なので、親近感を抱ける。周囲に個性的な人物を配しているのも好バランス。所々で織り込まれる「仕事とは?」「人生とは?」という問いかけも説教臭くなく素直に考えさせられた。2018/11/21
ちょこまーぶる
136
荻原氏の作品は面白い。市役所の職員の話であるが、どこの地域にもありうる話のようで、非常に興味深く・楽しく読み進めることができた半面、どうしてお堅い公務員の人たちの発想は、こうも貧困でサービス精神が無く自分の価値基準だけでしか物事を考えられないのだろうかとつくづく感じてしまった。(公務員の皆さま、すいません。そんな人ばかりじゃないですよね。)また、主人公の啓一の懐の広さにも感心させられっぱなし。そして、作品に登場するメリーゴーランドには一度乗ってみたいと強く思いましたね。2013/11/27
TATA
86
東京から車で五時間、山あいの町、駒谷市。赤字が積み重なるテーマパークの立て直しに右往左往する市役所職員の奮闘記と、まあ、よくあるタイプの村おこしものかなと思いながら一読。でも、荻原さんが書くと家族に重きが置かれるやさしめのストーリー。やっぱりいつもながらの少しダメな主人公を盛り立てる家族と破天荒な脇役の布陣が絶妙。今回の一押しキャラは劇団ふたこぶらくだ一座の皆さんでした。あと、柳井君も割と好きです。2018/08/07
kishikan
71
オロロ畑でつかまえてに続く村おこしシリーズ、成功しないものの家族愛友人愛に支えられたロマンチック物語2009/02/01