新潮文庫<br> 拉致―知られざる金大中事件

新潮文庫
拉致―知られざる金大中事件

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  • サイズ 文庫判/ページ数 425p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101221311
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

1973年8月8日。滞日中の金大中が白昼のホテルから姿を消した!現場の痕跡が物語るのは、韓国KCIAによる「拉致」。背後には政敵・朴正煕の憎悪の炎が燃え盛っていた―。計画の存在を知りながら看過した警察、事件に関与した元自衛官、米政府の暗躍…。政治決着により真相究明の道を断たれた金大中事件に取材。大胆な発想で、日韓現代史の闇に迫る傑作ノンフィクション・ノヴェル。

著者等紹介

中薗英助[ナカゾノエイスケ]
1920(大正9)年、福岡県生れ。旧制八女中学校卒業後、旧満州を経て’38(昭和13)年、北京遊学。邦字紙「東亜新報」の記者をつとめつつ文学活動を開始。帰国後の’50年、「近代文学」に「烙印」を発表し、作家生活へ。『北京飯店旧館にて』(読売文学賞)『鳥居龍蔵伝』(大佛次郎賞)など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんこい

11
子供のころ騒がれていた記憶もありますが、どんな事件だったか知りたい子もして読んでみました。その後金大中は大統領にもなりましたし、この事件次第ではそれもなく殺されていたかもしれないのですが、拉致する方も結構偶然にたより、救出も危機一髪ですね。独裁政治や情報機関の怖さも感じます。2015/10/04

takeapple

5
韓国で戒厳令が出された。現代に於いてはびっくりだったが、さすが民主主義が鍛えられている国だけあってすぐに市民や国会の力で立て直した。そして金大中氏の映画を観る機会があって、金大中氏の凄さを再確認したけれど、この金大中氏事件も小学生だった私に強烈なインパクトを残したよな。韓国近現代史と私たちの関係を学び直したい。さすが中薗さん、スリリングでグイグイ読めます。2024/12/31

うたまる

4
1973年に東京で起こった金大中事件を精緻に描くノン・フィクション。本書を読んで、韓国という厄介な国のことを想う。歴史的に日中米に翻弄された韓国は、うまくいけばそれぞれの長所を学ぶことも出来たはずだが、残念ながら短所の方により強く影響を受けてしまった。日本からは学歴社会や権威主義を、中国からは中華思想や縁故主義を、米国からはパワー・ポリティクスや拝金主義を。それらに加え、韓国古来からの事大主義や加虐性向が相俟って、暗殺や拷問、そして本件のような謀略事件を頻発していく。当然ながら、北朝鮮もまた同じ。2012/09/26

asura_kojima

0
当時、大統領だった朴正煕の政敵、金大中。 子供の頃に耳にした事件でしたが、ちゃんと、調べたことがなかったので、小説で読んでみました。 朴正煕の娘である第18代大統領が「朴槿恵」というのも不思議な因果のような気がします。2017/01/09

卯月

0
再読。1973年、韓国情報機関KCIAが、東京滞在中の韓国野党政治家・金大中を拉致した事件を再現した小説。結果的に拉致だが、実質は暗殺未遂。私は韓国政治史に疎いため、時の大統領・朴正煕(パククネ現大統領の父)が軍事独裁政権とか、何でここまで金大中を憎悪するのかがピンと来ないが、暗殺を恐れてホテルを転々とする都内の地理がわかるので臨場感。人物名を微妙に変えてある(金厚洛→厚岳など)が、詳しい人なら同定できるだろう。しかし、(史実はどうか知らないが、この小説の)金大中、護衛側に非協力的な警護対象者だな(汗)。2015/09/27

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