新潮文庫<br> 情報、官邸に達せず

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新潮文庫
情報、官邸に達せず

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  • サイズ 文庫判/ページ数 304p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101219318
  • NDC分類 312.1
  • Cコード C0195

内容説明

事前に知りながら、なぜ金正日の長男は国外退去となったのか。JCO放射線事故の対応に、政府はなぜ4時間半もかかったのか。オウム真理教教祖逮捕を確認できないまま閉会した対策会議のお粗末さとは?…小泉政権から村山内閣時代までの大事件を遡り、極秘の政治情報を駆使しながら、危機管理体制の舞台裏を生々しく再現。「国家の情報機能」の弱体ぶりを告発した傑作ドキュメント。

目次

プロローグ 「金正男」不法入国す
第1章 JCO臨界事故発生・一九九九年九月三十日―知られざる「被害管理」の理念
第2章 オウム真理教教祖逮捕・一九九五年五月十六日―露呈した官僚組織の弱点
第3章 阪神・淡路大震災・一九九五年一月十七日―発生から六時間、総理の予定に変更ナシ
第4章 北朝鮮クライシス・一九九四年七月―金日成の死去で露呈した情報システムの欠陥
第5章 ルワンダ難民救援PKO派遣・一九九四年九月―外務省、情報操作の実態
第6章 宙に浮いた「内閣機能強化」―“日本情報機関”の全体像
第7章 情報戦略なき国家の悲劇―官邸に情報なし、各省庁各局に情報あり
エピローグ “危機管理”から“被害管理”へ

著者等紹介

麻生幾[アソウイク]
1960(昭和35)年、大阪府生れ。作家。内外の事件をテーマにした、深層をえぐるノンフィクションを数多く発表。最近は、ノンフィクション・ノベルの分野でも意欲的に作品を発表している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しーふぉ

14
情報収集は大切だが、それを活用することが大事。外務省の縄張り意識と、自分達の為にわざと必要な情報を内閣に渡さないとか愕然とします。 情報機関と政策決定機関を峻別するのは常識だというが日本は出来ていない。怖さを感じた。2014/06/08

nobody

9
権力中においてウイルス分子はどのように浸潤し、どのように蠢くか。戦前内政には省・大臣そのものとして、外交には大使館駐在官として、皇室には侍従として潜り込んだのは軍部だった。現在では警察だ。出向という秘技で官邸に総理秘書官を、官房長官秘書官を、事務担当官房副長官(官僚のトップ、旧内務省系)を、内閣情報調査室国際第二部主幹(内閣調査官)を、内閣安全保障室危機管理監を、潜り込ませる。優遇される国家中枢エリートが無能で、冷遇される現場が有能というのはあの戦争を経て貫くこの国の岩盤である。やってる感を醸し出すために2024/11/30

モリータ

5
◆単行本1996年3月文藝春秋刊。文庫版(本書)はそれに大幅な加筆・改訂を加え2001年8月刊。◆危機においても縦割りの官僚主義が優越し、政治(官邸)が情報収集の面でも危機管理の面でも劣後していることをケースごとに描く。また危機管理のみならず、災害時のトリアージに代表される被害管理の重要性も主張。◆震災関連で三章を読んだが、ほぼ既知の流れ。その他の章もざっと。◆章立て;①JCO臨界事故/②麻原逮捕/③阪神・淡路大震災/④金正日死去/⑤ルワンダ難民PKO派遣/⑥内閣機能強化の頓挫/⑦各省庁の情報収集能力2024/04/06

イガラシ

1
阪神淡路大震災は、日本の危機管理が見直されるきっかけになったのだろう。当時の状況では、総理大臣が誰であっても同じ事だったのかな。当時はお粗末だったけど、今はどうだろう。2019/03/16

鉄路のほとり

1
ノンフィクション。平成時代に起きたさまざまな総理官邸と官庁とのミスコミュニケーション事例を素材にして日本のインテリジェンス機関のあるべき姿を考察する。2019/03/13

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