内容説明
祠に隠した鼈甲の帯留めを見つけて欲しい―。それが売れない小説家のおじいちゃんが残した遺言だった。仕事にも恋にも破れて引きこもり生活を送る二十七歳の荊庭紅は、遺言に従って遠野を訪れ、この地の旧家で起こった八十年前の不可解な猟奇殺人事件を知る。それは祖父が書いた淫靡な怪奇小説『サナキの森』の「呪いによる殺人」に酷似していて…。第一回新潮ミステリー大賞受賞作。
著者等紹介
彩藤アザミ[サイドウアザミ]
1989(平成元)年岩手県盛岡市生れ。岩手大学教育学部芸術文化課程卒業。2014(平成26)年『サナキの森』で新潮ミステリー大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
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りょうこ
40
はじめ、なかなか昔の言葉の言い回しにちょっとだけ苦労したが、慣れたら気にならなくなった!岩手県遠野市は本当に不思議な伝説の宝庫ですなぁ。この先の二人の行方も気になるところ。これ、シリーズ化しませんかね?大変面白く読めました!2017/11/26
Junichi Yamaguchi
37
『光を描く唯一の方法は、影を描くこと』… サナキの意味には正直、唸るデビュー作。 名の知れた作家さん達に選ばれた彩藤さんの次作に期待。。2017/12/01
Tsukamo
24
亡くなった祖父の部屋を整理していると、祖父の書いた小説の中から孫の紅に祠に隠した帯留めを見つけて欲しいという手紙が見つかる。そこから現代パートと祖父の書いた小説のパートが交互に進み、八十年前の不可解な殺人事件の真相が浮き彫りになってくる。旧字体や歴史的仮名遣いで書かれた作中作が非常にレベルが高くこのパートだけ読んでも楽しめる。殺人事件のトリック自体は特出したものではないけれど、その背景にある物語がその拙さを凌駕する程に素晴らしいと思った。本書がデビュー作ということで、今後に期待できる作家です。2017/12/14
りょう(アイコン変更5)
24
初作家&デビュー作。。。祖父の本に「ある神社の祠に隠した鼈甲の帯留めを探して欲しい」と挟んであった紙を見つける。亡き祖父から依頼された紅。祖父が書いたホラー小説と80年前の猟奇殺人事件が酷似していて謎を追うことに。。。意外と面白かったー。祖父の小説は最初読みにくかったが慣れたら面白い。その小説の方は少しエログロホラーなんだけど紅と泪子のやりとりになんだか、ほのぼの感。真相はびっくり感はないけどなるほどなーと。鍵の謎解きは泪子の推理と一緒の考えだった、笑。まだ拙い所も少しあるけど今後期待できる作家さんです。2017/12/08
Yu。
21
その怪奇な事件は如何にして起きたのか‥。祖父が遺した古い小説に挟まれていた手紙の内容の真相に迫る孫娘の姿が描かれる青春&ちょいとビターなダークミステリー。。主人公はワトソン役なのですが‥ 。ホームズ役は切れ者なのだが、これ以上ないほど印象が薄い‥。ですが、物語の起点となる惨劇の屋敷の曾孫 泪子の存在が両者を圧倒します。。個人的にですが、泪子 活躍❕のを読んでみたい。2023/05/05
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