内容説明
緻密な論理で構築された密室という名の神聖なる魔空間。ミステリのトリックでも最も人工的であるが故に幻想性さえ帯びているこのジャンルに、手練れ8人が挑む。眩暈を誘う巧緻な仕掛けを施した8つの密室の扉をどれから開けるもお望み次第。さらに各作家が密室へのオマージュを綴ったエッセイと千街晶之氏による特別解説を擁し、密室をめぐる全ての謎に答えた究極のアンソロジー。
著者等紹介
有栖川有栖[アリスガワアリス]
1959年、大阪府生れ。89年『月光ゲーム』でデビュー
恩田陸[オンダリク]
1964年、宮城県生れ。91年『六番目の小夜子』でデビュー
北森鴻[キタモリコウ]
1961年、山口県生れ。95年『狂乱廿四孝』でデビュー
倉知淳[クラチジュン]
1962年、静岡県生れ。94年『日曜の夜は出たくない』でデビュー
西沢保彦[ニシザワヤスヒコ]
1960年、高知県生れ。95年『解体諸因』でデビュー
貫井徳郎[ヌクイトクロウ]
1968年、東京生まれ。93年『慟哭』でデビュー
法月綸太郎[ノリズキリンタロウ]
1964年、島根県生まれ。88年『密閉教室』でデビュー
山口雅也[ヤマグチマサヤ]
1954年、神奈川県生まれ。89年『生ける屍の死』でデビュー
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
59
大密室と名をうったアンソロジーです。既読のものもありますが、このように様々な密室ものを取り揃えてくれますと何度読んでもいいと思います。また各作家がそれぞれに密室についてのエッセイを書いてくれているのも、大サービスです。わたしか恩田陸さんと北森鴻さんの作品が特に好きです。2015/04/17
papako
41
密室ものってくくりだけれど、色々なテイストあり。個人的には山口雅也の『人形の館の館』が怖くて楽しめました。西澤保彦の大外刈りもいい。8年ほど前に1ヶ月ほど頑張って、結局挫折した有栖川有栖さんの『ロシア紅茶の謎』。関西弁が自分と違いだめだったのですが、この中のものは大丈夫でした。これは発見だ。2014/03/02
Yuki
39
密室をテーマにしたアンソロジー。奇妙な部屋やトイレの個室、海の中などシチュエーションがバラバラな短編たちもさることながら、合間合間の各作家の密室にまつわるエッセイや短文も面白い。火村英生、蓮丈那智、猫丸先輩とお馴染みの探偵が出てくるものから、怪獣が出てくる変わり種まで楽しめた。各人の文章から「密室ものに限らずミステリは伝統芸能で、そこに時々風穴をあけてくる作品や作家が出てくるからこそ面白いのだ」ということを改めて気づかせてもらえた。私は誰に何を言われようと、やはり本格も新本格も好きなのだ。2018/09/05
yucchi
34
【一人密かに密室祭第一弾】豪華な作家陣が揃う密室アンソロジー。有栖川氏と法月氏のは既読だった。それぞれの密室愛を感じられる作品集。中には「うそーん(^o^;)」とつぶやいてしまうものもあるけど、読み応えのある1冊。2015/03/13
あや
27
恩田さんの作品は既読でしたが、様々な種類の密室を楽しませていただきました。密室と一口に言っても色々なバリエーションがあるんですね。2015/08/24