内容説明
コギトの懐疑によって哲学を神学から解放したデカルト、そのデカルトに抗してモナド論的宇宙を構想したライプニッツ。ともに数学をモデルにした二人の哲学的天才の思索の原理を分析・比較し、その差異と対立点を徹底して内在的に読み解くことで、十七世紀西洋の科学的方法と新しい世界観を浮き彫りにした碩学ベラヴァルの代表作。全三部中、上巻には第二部までを収録。
目次
第1部 方法の精神(直観主義と形式主義;革命と伝統)
第2部 数学的モデル(四つの規則への批判;デカルトの幾何学主義とライプニッツの算術主義;代数幾何学と無限小算法)
著者等紹介
ベラヴァル,イヴォン[ベラヴァル,イヴォン][Belaval,Yvon]
1908‐88年。フランス南西部の地中海に面した都市セートに生まれる。船員、関税検査官などの職を経た後、1941年に哲学の教授資格(アグレガシオン)を取得。ストラスブール大学講師、助教授、リール大学助教授などを経て、60年に同大学教授。65年からはソルボンヌ(パリ第一大学)で教鞭を執る。国際哲学会(IIP)事務局長、ライプニッツ協会(Leibniz‐Gesellschaft)副会長、18世紀学会会長などを歴任。ライプニッツ哲学の専門家としてはもちろん、広く17世紀から18世紀にかけてのヨーロッパ哲学、とりわけライプニッツのヴォルテールやディドロといった啓蒙の哲学者たちやヘーゲルへの影響について、数多くの重要な業績を残した
岡部英男[オカベヒデオ]
1955年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。東京音楽大学専任講師。哲学・倫理学専攻
伊豆藏好美[イズクラヨシミ]
1957年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士課程単位取得退学。奈良教育大学教育学部教授。哲学・倫理学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。