新潮文庫
雨の日と月曜日は

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  • サイズ 文庫判/ページ数 291p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101185415
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

何がいけないわけではないのに、孤独でブルーなときがある。雨の日みたいな人生は、どうやり過ごしたらいいだろう。苦労人の父が定年後に自費出版した本、大学時代に憧れた女性の三十年後…人生の光と影を淡い水彩画のように描き、小さいけれど確かな希望を見つけだす。「日本のボブ・グリーン」による、不思議な安堵感に溢れたエッセイ集。

目次

ファイブ・イージー・ピーセス
自動販売機のような私
サウダーデ
「私」をめぐる諸説について
営業という仕事
ダンスパーティ
針生森にきいた映画の話
模型『私』
父の本
ルポルタージュ・コラムのできるまで〔ほか〕

著者等紹介

上原隆[ウエハラタカシ]
1949(昭和24)年、横浜市生れ。立命館大学卒。映像製作会社勤務のかたわら、雑誌「思想の科学」で編集・執筆活動をはじめる。その後、市井の人々の生き方に焦点をあてたルポルタージュ・コラムを執筆、心にグッとくるエピソードにあふれた文章で「日本のボブ・グリーン」と呼ばれる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カッパ

13
これまでルポタージュものを読んできたのですが、ここにきて一気に上原隆さんの心情をかいているようにおもった。ルポは客観的に書こうとしているのであまり著者がみえなかった。私というものに悩んでいるおじさんなんだろうな。離婚もどこか傷跡を残しているように思う。私をつきつめると苦しくなりそうな予感がした。2020/01/10

hf

4
おもしろかったが前半は読んでいてややしんどくなってくるところがあり豊田道倫っぽさを感じた。後半は結構たのしい。鶴見俊輔の話はおもしろい。加藤典洋の吉本隆明に対するリアクションは情報として知らなかったがよくわかった。「模型「私」」は気持ち悪くてよかったが、当然フィクションだと思っていたわけで、本の後半でここ数年で上原がやったこととして、模型を作ったり、、みたいに再度出てくるのは、虚実の境目が曖昧になりおお、となった(がこれは簡単なテクニックかもしれない)。橋本治と1歳差というので驚く。単行本は2002年刊2021/01/05

山崎にう

3
『友がみな我よりえらく見える日は』等、ルポタージュ・コラムを書く筆者のエッセイ集。感情を廃した文体に共感しつつ、「この人、生きるの大変そうだなー」と思う。けして他人事ではないけれど、先鋭的な自意識と知識・理論に振り回される様は見ていて疲れます。だからこその兼業文筆家なのかな。2015/05/14

CEJZ_

2
1P16行。これは上原隆が自身に関することを語ったエッセイ。村上春樹・文体の快楽について、分析した文は面白く読んだ。哲学者・鶴見俊輔、加藤典洋、マルクス主義に関する文は、繰り返し読んだが、難しくてアタマに入ってこなかった。上原隆の書くルポルタージュ・コラムが、「自尊心が粉々になりそうなときに、ひとはどのようにして自分を支えるのだろうか」というテーマによるものと知り、なるほどなあと思った。関川夏央の「私コラム」の魅力を伝えており、いつか読んでみたいと思った。2013/10/11

峰岸トモ

2
牧野千穂さんの表紙に惹かれて。表現は自由だ。しかしなぜか決め事をつくって不自由にしたほうが良いものが生まれる。 規制の「正しさ」を軸にすると生の現実がみえてこない。 まず私がしたいこと、次にそれを実現する上の問題、そして問題解決の試行錯誤。それが日本ひいては世界の問題になるかもしれないしならないかもしれない。 人間は平坦なだけの平等ではなく個性がある。長所短所がある前提で競争原理を基本とする資本主義社会で全員が不安なく暮らすのは難しいのではないか。資本主義と社会主義を現実に照らして見直すべきではないか2011/11/07

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