出版社内容情報
塩野 七生[シオノ ナナミ]
著・文・その他
内容説明
軍の即時解散と帰国を命ずる「元老院最終勧告」を突きつけられたカエサルは、国賊と呼ばれるのを覚悟で、自軍とともにルビコンを越える。「カエサル渡河、南進中」との報はローマを震撼させ、ポンペイウスと「元老院派」議員の多くが首都ローマを脱出する。間もなくカエサルはイタリア半島を掌握。ポンペイウスはギリシアで迎撃に備える。ローマ世界全域で、両雄の覇権をめぐる戦いの火蓋が切られようとしていた。
著者等紹介
塩野七生[シオノナナミ]
1937年7月7日、東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。68年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書き下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。82年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。83年、菊池寛賞。92年より、ローマ帝国興亡の一千年を描く「ローマ人の物語」にとりくむ。93年、『ローマ人の物語1』により新潮学芸賞。99年、司馬遼太郎賞。2002年、イタリア政府より国家功労賞を授与される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
141
ユリウス・カエサルの物語後半は、『内乱記』の世界だ。この巻ではついにポンペイウスとの雌雄を決する闘いを迎えることになる。「ファルサルスの会戦」である。ポンペイウス側(重装歩兵45,000+2,000、騎兵7,000=54,000)、対するカエサル側(重装歩兵22,000、騎兵1,000=23,000)。2倍に達する重装歩兵もだが、何よりも騎兵の数は7:1である。しかも、戦場は平原である。よくこれで勝てたものだと思う。しかも、同朋のローマ人と闘うとあってカエサルは殲滅を避けることまでしていたのである。2013/01/10
ehirano1
139
前巻から本書に掛けて、「人間世界のすべてには、プラス面とマイナス面がある」のセンテンスが何度も何度も出てきます。著者はこの論理を使ってルビコン前後の要所要所を考察していきます。実に興味深いです。2017/03/11
ハイク
98
カエサルはルビコン川を渡りローマに向かった。カエサルに反感も持つ守旧派、即ちポンぺイウスはイタリヤから脱出した。早速カエサルはスペインに遠征し自軍に取り込み、ギリシャに逃亡したポンぺウスを追撃した。海軍力で勝るポンぺイウスはカエサルをてこずらせた。またカエサルはアドリア海沿岸のドラキウムの戦いで苦戦を強いられた。最後の戦いとなるアテネの北部のファルサルスという平原であった。カエサルは劣勢な兵力であったが、巧みな戦術で完全な勝利を得た。最後にエジプトに遠征しクレオパトオを支援した。彼女の魅力の虜になった。 2018/08/26
優希
86
遂に賽は投げられた。カエサルとポンペイウスの直接対立が始まります。両雄の派遣争いはローマを震撼させたに違いありません。元老院を相手に立ち回るカエサル。とはいえ、ローマ市民に血を流させることなく争いを行うのは流石指導者となるべく人物だと思えました。クレオパトラも登場し、まさにカエサルの力が大いなるものとなっていったのでしょう。2018/04/30
KAZOO
70
カサルがルビコン川を渡り元老院及びポンペイウスと対決するためにローマに進軍します。ファルサウスの会戦でポンペイウスを破り、イベリア半島を掌握します。淡々と描かれていて読みやすい気がします。まあ比較的知っている名前が出てくるからなのでしょう。それにしても、ローマの元老院というのはかなり力を持っていたのですね。シェイクスピアの戯曲などでも結構出てきますが、元老院の力の源泉がどこから出てくるのか知りたいと思います。2015/01/09
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