出版社内容情報
権謀術数の代名詞とされるニコロ・マキアヴェッリ。しかし彼はそれほど単純に割り切れる人間ではなかった――。 16世紀のフィレンツェ共和国に仕え、権力者たちの素顔を間近で見つめ続けた官僚。自由な精神で政治と統治の本質を考え、近代政治学の古典『君主論』を著した思索者。そして人間味あふれる愛すべき男。その実像に迫る塩野ルネサンス文学の最高峰。待望の文庫化、全三巻。
内容説明
権謀術数の代名詞とされるニコロ・マキアヴェッリ。しかし彼はそれほど単純に割り切れる人間ではなかった―。16世紀のフィレンツェ共和国に仕え、権力者たちの素顔を間近で見つめ続けた官僚。自由な精神で政治と統治の本質を考え、近代政治学の古典『君主論』を著した思索者そして人間味あふれる愛すべき男。その実像に迫る塩野ルネサンス文学の最高峰。待望の文庫化、全三巻。
著者等紹介
塩野七生[シオノナナミ]
1937年7月7日、東京生れ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。’68年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。’82年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。’83年、菊池寛賞。’93年、『ローマ人の物語1』により新潮学芸賞。’99年、司馬遼太郎賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
96
14世紀末に生まれメディチ家を外政・金融・芸術の保護において西欧有数のものとさせたコシモ時代、その息子ピエロの5年間、その孫で大ロレンツオとなったフィレンツェのメディチ一族の繁栄は、ロレンツォの死まで続く。ピエロIIが継いでからは、反フランスのイタリア諸国に対し、唯一フランス側についたために、民衆からも見放されメディチ家はフィレンツェにいられなくなる。僧サヴォナローラが力を握るも、彼も間もなく失脚。ロレンツォが継いだ頃に生まれたマキャベリはこの頃、29歳になっていた。まだ特に目立った活動はない。2015/03/08
KAZOO
80
ほかの塩野さんの本も、若干手を付けているのですが、この3巻本を先に読んでしまおうと思っています。コミックの「チェーザレ」がとりあえず若いころで終わっているので、あまりマキアヴェッリの活躍の場はないのですが、やはり昔から「君主論」などの著作で知っているので親和感があります。この本でもマキアヴェッリはまだあまり存在感はなく、フィレンツェの権力者であるメディチ家の人物描写が多いと感じました。その時の歴史や状況を知っておくのが必要だということですね。2015/07/02
アイゼナハ@灯れ松明の火
46
この辺の歴史って実は断片的にしか知らないので、興味深く読みました。マキアヴェッリが44歳で隠遁生活を強いられていたことすら知りませんでした(苦笑)第一部はマキアヴェッリが官界に入る前、花の都フィレンツェを隆盛に導いたメディチ家の、中でも“イル・マニフィーコ(偉大な)”の異名を持つロレンツォ・デ・メディチの事跡に多くの頁を割いています。マキアヴェッリの登場は彼の死後。強い経済力を持ちながらも、有力なリーダーを欠くと途端に迷走する共和国においてどんな活躍を見せてくれるのか。続きが楽しみです。2011/05/20
kawa
37
ルネサンス期の官僚・政治思想家マキアヴェッリの実像に迫ることが狙いと言う本作。1は、氏の生前から官僚になる前のフィレンツェの様子、氏の前史という趣き。国を良く治めたジョバンニ、コシモ、ピエロ、ロレンツォ、4代に渡るメディチ家の人々の活躍と、メディチ家後が描かれる。西欧文化を高めたルネサンス期のフィレンツェにおいても、「パッツィ家の陰謀」「法王・ナポリ連合軍との闘い」「フランス王シャルル8世の侵攻」「修道士サヴォナローラの独裁と失敗」と手に汗握る騒乱事件が起こっていたことを知る。2020/03/19
ビイーン
32
しばらく積んでいて忘れていた本。マキアヴェッリと言えば、権謀術を好む冷血な人物の代名詞という認識であったが、本書を読んでからそういった先入観に変化が生じ始めている。第一巻は彼が生きていた時代のフィレンツェの歴史が描かれる。実は正直に言うと聞き慣れない名称が多くて食傷気味から半分も楽しめず。しかしマキアヴェッリに対して塩野女史の並々ならぬ熱意を感じる。投げ出さず次巻に期待したい。2025/08/31
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