出版社内容情報
塩野 七生[シオノ ナナミ]
著・文・その他
内容説明
見たい、知りたい、わかりたいという欲望の爆発、それがルネサンスだった―フィレンツェ、ローマ、ヴェネツィアと、ルネサンスが花開いた三都市を順に辿り、レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、フリードリッヒ二世や聖フランチェスコ、チェーザレ・ボルジアなど、時代を彩った人々の魅力を対話形式でわかりやすく説く。40年にわたるルネサンスへの情熱が込められた最高の入門書。
目次
第1部 フィレンツェで考える
第2部 ローマで考える
第3部 キアンティ地方のグレーヴェにて
第4部 ヴェネツィアで考える
著者等紹介
塩野七生[シオノナナミ]
1937年7月7日、東京生れ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。’68年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。’82年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。’83年、菊池寛賞。’92年より、ローマ帝国興亡の歴史を描く「ローマ人の物語」にとりくむ(2006年に完結)。’93年、『ローマ人の物語1』により新潮学芸賞。’99年、司馬遼太郎賞。2002年、イタリア政府より国家功労章を授与される。’07年、文化功労者に選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
106
ルネサンスを知るには最適の入門書だと思います。混迷の時代に必要だった「ルネサンス精神」をフィレンツェ、ローマ、ヴェネツィアとルネサンスの都を辿りながら語られます。時代の真実を求め、命を懸けて行動した時代がルネサンスと言えるでしょう。ローマ史における中世の流れがよくわかりました。膨大な知識によるルネサンス論は興味深く、色々な文化が花開いていったことも目が離せません。巻末にルネサンス時代の人々のエピソードが載っているのも丁寧だと思いました。ルネサンス研究からのマニアックな視点が面白かったです。2016/10/25
KAZOO
103
ルネッサンスとはどのようなことかを塩野さん独特の視点から分析されています。対話形式での説明で読みやすく、今回はフリードリッヒ2世についての記述が多い気がしました。これが最近の作品にも反映されているようです。また、有名人についての1ページ解説が参考になりました。三浦雅士さんとの対談も興味深く読みましたが、かなり日本の学界からは意地悪をされたようです。たこつぼ的学界で塩野さんの幅の広さに嫉妬をしたようです。2015/07/22
アキ
99
「ルネサンスとは、一言で言えば、今までの自分に疑いを持つということですね。」塩野七生は、学習院大学文学部哲学科の卒業論文に15世紀フィレンツェの美術について書いた。卒業後イタリアに住み着いて「ルネサンスもの」を発表した。その後本書、フィレンツェで考える、ローマで考える、ヴェネツィアで考える、を対話形式で書いた。ルネサンスの始まりを聖フランチェスコと皇帝フリードリヒ二世とし、既成概念に疑いを持って行動したことを共通点とした。小林秀雄は「歴史は神話だ」と言ったが、塩野七生は「歴史は娯楽だ」と言う対比が面白い。2025/04/19
優希
76
ルネサンスへの情熱を感じずにはいられませんでした。ルネサンス3都市をめぐり、時代を彩った人々の魅力を対話形式で語ったこの著作は、ルネサンスを知る最適な入門書だと思いました。混迷の時代に必要だった「ルネサンス精神」が興味深かったです。色々な文化が花開いた時期なのですね。巻末にルネサンスを彩った人々の紹介を載せているのが丁寧だと思いました。ルネサンス研究のマニアックさも感じさせられて面白かったです。2019/12/11
k5
71
『春の戴冠』の副読本として電子で購入。で、一行目を読み始めて気づいたのですが、この本、紙で持ってる。。。フィチーノやフランチェスカといった、『春の戴冠』に出てくる人に位置づけがクリアになるのみならず、初読の時にはピンと来なかった法王の列伝も、「ウルフ・ホールでウルジーが交渉してるのこいつか!」と思えたりするので、再読の価値はありました。でも、図版の多い本なので買うなら紙をお勧めします。2021/04/29