新潮文庫<br> 持ち重りする薔薇の花

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新潮文庫
持ち重りする薔薇の花

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  • サイズ 文庫判/ページ数 238p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101169132
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

不倫あり、嫉妬あり、裏切りあり……世界的弦楽四重奏団の愛憎に満ちた人間模様を明るく知的に描き尽くした、著者最後の長編小説。

薔薇の花束を四人で持つのは、面倒だぞ、厄介だぞ、持ちにくいぞ――世界的弦楽四重奏団(クヮルテット)の愛憎半ばする人間模様を、彼らの友人である財界の重鎮が語り始める。互いの妻との恋愛あり、嫉妬あり、裏切りあり……。クヮルテットが奏でる深く美しい音楽の裏側で起きるさまざまなできごと、人生の味わいを、細密なディテールで描き尽くした著者最後の長編小説。

内容説明

薔薇の花束を四人で持つのは、面倒だぞ、厄介だぞ、持ちにくいぞ―世界的弦楽四重奏団(クヮルテット)の愛憎半ばする人間模様を、彼らの友人である財界の重鎮が語り始める。互いの妻との恋愛あり、嫉妬あり、裏切りあり…。クヮルテットが奏でる深く美しい音楽の裏側で起きるさまざまなできごと、人生の味わいを、細密なディテールで描き尽くした著者最後の長編小説。

著者等紹介

丸谷才一[マルヤサイイチ]
1925‐2012。山形県鶴岡市生れ。東大英文科卒。1967(昭和42)年『笹まくら』で河出文化賞を、’68年『年の残り』で芥川賞を受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳と幅広い文筆活動を展開。『たった一人の反乱』(谷崎潤一郎賞)『後鳥羽院』(読売文学賞)『忠臣藏とは何か』(野間文芸賞)『輝く日の宮』(泉鏡花文学賞)など著書多数。訳書にジョイス『若い藝術家の肖像』(読売文学賞)。2011(平成23)年、文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

58
丸谷さんの最後の長編小説です。様々な人生の縮図があったりして楽しめます。弦楽四重奏団というのは本当に難しいのですかね。この本の中でも生徒に言わせているように、コンサートが終わったら皆別々の行動をとったりするのでしょうか?そのようなことを頭に置かれて丸谷さんはこのような小説を書かれたのでしょうね。私は数年前に見た映画で、アカデミー賞俳優のフィリップ・シーモア・ホフマンが出ていた「25年目の弦楽四重奏」を思い出していました。2015/06/02

YO)))

21
著者最後の長編。クヮルテット(弦楽四重奏団)の人間模様を通して社会と人間との関わりを描き出す、という主題の部分はかなり面白いのだが、語り手である財界の大物の自分語りがどうにも受け付けない(※個人の感想です)。楽器の駒に薔薇の柄をあしらった表紙は洒落ていて素敵。2015/07/14

わたなべよしお

6
 単行本の時から気になっていたが、文庫化で購入。ちょっと説明しにくいなぁ。さほど面白くもないし、作中人物が言うほど、エロティックでもないけど、ついつい読んでしまう。丸谷さんの筆力なのだろうか。あるいは自分が70歳くらいになってからだと、もっと味わえるか?2015/04/07

でんすけ

2
こまごました人間関係のめんどくささと、そこから生まれる芸術の素晴らしさ。描写の行き届いたゴシップを読んで、当事者の四人を知ることで、われわれの彼らへの愛着は深まる。読み始めの時と比べると、われわれの空想の中で演奏されるカルテットはぐっと深みを増して美しく響く。芸術ってそんなものなんだろう。どんな人間がどんな経験を経て一つの芸術を作り上げているか。それは受け手にとって、意外と重要なのです。作家主義っぽいが、それが人間的な感情だと思う。2015/12/13

広瀬研究会

2
御年86歳の老文士の作品とは思えないほどのみずみずしさ。経済界の超大物を主人公に据えながら、大げさな重厚感はかけらもなく、弦楽四重奏のメンバーの生々しい人間模様を描きつつ、ドロドロした雰囲気を感じさせず。ひたすら軽快で明朗なリズムを刻む芸風はさすがです。2015/11/03

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