文庫草 165-A<br> 愛の生活

文庫草 165-A
愛の生活

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tipsy

12
「愛の生活」を再読。長いセンテンスに酔わされる。19歳の作品とか未だに信じられず。グロテスクで切れ目のないねとねとと癖のある文が息づいて広がり、濃密に漂いながら近づいてきて、あっという間に溺れる。その限りない表現は体中に染み込み深く沈潜。カロリーが高く喉が渇き、軽い言葉で潤したいと思ってもこの圧倒的な密度の煮詰まった言葉を脳はどごまでも食べ太ってゆく。結局この文体でしか得られない快楽を欲し、あたしはそれを享受する。2015/07/09

Foufou

7
あまりにもゴダール的な。流麗な描写。それでいてドライ。聡明(素直)であることは色褪せないための絶対条件か。文章は比喩から腐ると言われるが、それを免れているのは詩人だからか(ただし詩人と規定されることを当人は嫌ったよう)。ミシマを感じるのは、徹底して言葉の、あるいは人生の常套句を避けようとする身振りからか。ただちょっと少女趣味を感じてしまう。アリスワールドの変奏。それにしても天才とはこうも太陽と海と死に憧れるものなのか。河野多惠子の解説が出色。その後の金井美恵子の小説家としての展望を見事に予言している。2025/04/01

H

1
女性にとっての身体的な感覚、経血や粘液を排泄すること、そういった循環じたいがリアルで、それだけで文学が成立するなあと思った。「エオンタ」だけが未読なのでまた再読したい。2014/11/22

ルミ

0
再読2016/02/02

Ayako Moroi

0
これを二十歳で書いたのか。少年少女の想像力を通して避暑地の海岸の夏休みを描いた『自然の子供』が良かった。子供であるがゆえの残忍性、死への憧れが、巧みに表現されている。想像力の描き方がリアル、というとやや逆説的だが、想像力を働かせるのが好きな子供時代を送った人には、このリアルさが伝わると思う。『愛の生活』は、その少女がそのまま大人になってしまったかのようだ。夫との日常生活を送りながらも、どこか人ごとのような毎日過ごしている「私」。でもまあ、「私」が胃が重くて食欲がないのは、コーヒーの飲み過ぎだと思うよ。2015/10/20

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