内容説明
新宿角筈村に剣術道場を構える老剣客・日影一念は、臨終の床で、なぜか二人の内弟子、白根岩蔵と成子雪丸に、自分の遺体と共に秘伝の書を土中に埋めよと言い残す。だが、剣の極意を極めたい一心の岩蔵は、遺言にそむき、秘伝書を奪って出奔する。村人たちに頼まれて道場を継ぐことになった雪丸は、岩蔵の行方を探りつつ道場を守り立て、角筈村になくてはならない人物となるが…。
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
1923‐1990。東京・浅草生れ。下谷・西町小学校を卒業後、茅場町の株式仲買店に勤める。戦後、東京都の職員となり、下谷区役所等に勤務。長谷川伸の門下に入り、新国劇の脚本・演出を担当。1960(昭和35)年、「錯乱」で直木賞受賞。「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」の3大シリーズをはじめとする膨大な作品群が絶大な人気を博しているなか、急性白血病で永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
45
秘伝の書を始末しなければならないのに、それを奪って逃げる岩蔵。剣を極めたい一心からの行動なんですね。何が書いてあるか気になります。一方の雪丸は道場を守る。対照的2人はにはそれぞれ何が待っているのでしょう。下巻も読みます。2023/03/09
タツ フカガワ
18
新宿角筈村で剣術道場をかまえる老剣客日影一念は死の床で弟子の成子雪丸と白根岩蔵に、自分の遺体は秘伝書とともに土中に埋めるようにと託す。が、岩蔵が秘伝書とともに姿を消す。上巻に登場する人はほとんど善人ばかり。浪々の身だった岩蔵もそういう人たちの縁で、やがて剣術道場の後継者に。それが暗雲をもたらしそうなところで下巻へ。時代設定は『剣客商売』と同じと匂わせるところもあって思わすニヤリでした。2019/12/06
harhy
18
白根岩蔵がグレるのかなと思って読んでいたら、なかなか立派な剣士になっている。下巻はこれからだが、秘伝の声の意味が少しわかる気がする。それにしても、一流剣士の人格は流石だ。2014/03/25
HIRO1970
16
★☆★面白い!!正ちゃんの得意な剣客ものですが、目新しい展開です。剣客商売でおなじみの方々も多数出てきており、田沼時代での設定です。下巻も楽しみです。2013/06/19
マッサー
13
下巻へ2019/12/05