内容説明
若衆髷をときほぐし、裸身を湯槽に沈めた佐々木三冬に、突然襲いかかる無頼の浪人たち。しかし、全裸の若い女は悲鳴もあげず、迎え撃つかたちで飛びかかっていった。隠された三百両をめぐる事件のさなか、男装の武芸者・三冬に芽ばえた秋山大治郎へのほのかな思いを描く表題作。香具師の元締のひとり娘と旗本の跡取りとの仲を小兵衛がとりもつ「嘘の皮」など全7編。シリーズ第3作。
目次
東海道・見付宿
赤い富士
陽炎の男
嘘の皮
兎と熊
婚礼の夜
深川十万坪
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けやき
37
【再読】三冬が大治郎を意識し始めましたね。2人の関係が微笑ましい。今回も秋山親子が大暴れして面白い。表題作の「陽炎の男」のほか、「嘘の皮」「兎と熊」「婚礼の夜」「深川十万坪」が好き。2023/12/13
まめこ
20
★★★★★毎回同じようなパターンなのに面白いなぁ。地の文の作者もなんだか楽しんでそうだ。ただの勧善懲悪ではなく、清濁併せ呑む小兵衛始末が粋で優しい。剣で結ぶ剣客ならではの縁結び「嘘の皮」「熊と兎」。男衆姿の三冬ちゃん、自覚した(やっと!)乙女心を持て余し熱いため息をもらす「陽炎の男」早く結ばれてくれないと気になって他の本が読めない~!大治郎は事件の度にどんどん小兵衛さんに似てくるな。2022/09/10
Noribo
3
「東海道・見付宿/玉屋伊兵衛」「赤い富士/大島弥十郎」「陽炎の男/井村松軒・大場平八郎」「嘘の皮/鎌屋辰蔵」「兎と熊/旗本花房家正夫人松子・奥用人曾我権左衛門」「婚礼の夜/平山市蔵」「深川十万坪/大野源蔵・松平下総守家中」の7篇を収録。「嘘の皮」での小兵衛のセリフ「伊織とお照がよいというのじゃから、それでよいわさ。真偽は紙一重。嘘の皮をかぶって真をつらぬけば、それでよいことよ。」が深く、印象的でした。2019/07/11
たーくん
3
シリーズ第3作。秋山親子を中心に魅力ある面々が悪を懲らしめる。2015/07/23
しのさん
3
池波文学の美しさに感動する。2013/05/10
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