内容説明
直木賞に推されて、これを蹴ってしまった無冠の実力派は、“曲軒”とあだ名された頑固なへそまがり。筆は多彩で、歴史時代小説だけでなく、警察小説もあれば医事小説もある。書かれるのは、懸命に生きる普通の人びと。舞台は様々なれど、人生の喜怒哀楽がたっぷり詰まっています。
目次
何から読めば面白い?これなら絶対はずさない!超早わかり!周五郎作品ナビ
「あらすじ」ではありません!名作の急所を堪能。10分で読む「要約」山本周五郎
名文は体と心に効く!とっておきの名場面を紹介。声に出して読みたい山本周五郎
読みどころを教えてくれます―周五郎に励まされた作家による熱烈エッセイ
人情の機微を描くには、この人生が不可欠だった!評伝 山本周五郎
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
105
著者のほんをもっと読んでみたくこの本を今年の1冊目とした。 山本周五郎は「青べか物語・と「さぶ」しか読んだことがない・今年は正月から「人情裏長屋」を読んでいる。いろいろな作品があるので一つの話を丁寧に読みたいと思った。「樅の木は残った」はまだまだ敷居が高い。5日読みたいなあ。2015/10/11
じいじ
85
「超早わかり!山本周五郎ナビ」は参考になりました。周五郎作品の背景がわかりやすいです。「泣く」ことは、ストレス発散になり、精神的効用も高いそうです。「泣くチカラ」を引き出してくれる周五郎は〈涙のツボ押し名人〉だと明言しています。私も年老いて乾燥気味の涙腺を潤すことができればいいな、と期待しています。2016/09/09
クプクプ
62
勉強になる読書でした。山本周五郎が山梨県出身だとは知りませんでした。私はかつて趣味の昆虫採集でよく山梨県を訪れたので地名は少しわかりました。まず「さぶ」から読もうと思っていましたが、この本の中で文章が一部取り上げられていた、千葉の浦安が舞台のべか舟で海苔をとる「青べか物語」を読みたいと強く感じました。新潮文庫の山本周五郎の作品はなんと60冊だそうです。私は黒澤明監督の映画をあまり見ませんが、黒澤明監督は山本周五郎の小説が好きで原作の映画を沢山、撮影したようなので映画好きには山本周五郎は有名でしょうね。2020/02/05
たつや
54
山本周五郎の評判を聞き、知らなかったので勉強のつもりでこちらから読み、約60作ほどあるようなので、気に入れば全集を読み進めたいと思えた。ナビとしても分かりやすい。2017/05/23
おさむ
48
本名清水三十六(さとむ)。筆名の由来は処女作の投函時に住み込みで働いていた山本質店の「山本周五郎方」と書いたのを編集者が間違って発表したから。でも、この育ての親の山本氏は貧しい人には無利子無期限で融資し、徒弟たちは夜学へ通わせて、夜の蔵で読書も許した人物。だから、山周作品は人の心を揺さぶる思いやりや優しさが詰まっていて、泣けてしまうんですね(T . T)。他人を救えるのは、傷つき、苦しみ、泥の中で救いを求めた人だけ。うーむ、世界のクロサワが愛読し、いくつかの作品を映画化したのも納得です。2017/03/03
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