内容説明
1986年4月25日深夜、巨大な爆発音がウクライナの闇に轟いた。チェルノブイリ原子力発電所で重大な事故が発生したのだ。何万人もの人々が住み慣れた街を強制避難させられていった。体じゅうを放射能に餌まれた彼らはどんな運命を辿るのか?今なお世界中で影響が残るあの原発事故の被害を、避難の途中バラバラにされていったある家族をモデルに描く迫真のドキュメント・ノベル。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
i-miya
52
2014.02.04(02/04)(再読)広瀬隆著。 02/03 ◎運命の金曜日。 ◎ああ、神様、どうか助けて下さい。 1986.04.26、0123から始まった出来事。 25日夜1200w廻ってすぐの出来事。 15歳、イワン少年、完全に目撃。 大火災が目に飛び込む。 母親ターニャに「火事、大きくなっている」 アパートの中も大騒ぎになっている。 父、アンドレー。 「イネッサを起こせ」 逃げるぞ。 これが世界一安全な発電所だったのね。 プリピアーチの町。 アンドレーの発電所が燃えている。 2014/02/04
扉のこちら側
38
初読。2014年202冊め。フィクションではあるけれど、どこからどこまでがとは言えない怖さがある。主人公と同世代の子どもたちに読んでほしい。2014/03/17
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
28
チェルノブイリの原発事故を遭った家族をモデルにした小説。父親は原発作業員。そこで何が起こっていたか。爆発後住人はバスに詰め込まれ移動させられる。父親は消火の為4時間で死に至る放射能の中に戻される。逃亡した作業員は銃殺される。銃殺されなくてもすぐ死に至る。避難した母子達も全員が体調が悪くなり死ぬ子供も出てくる。死んだ子を確かめようとした医師は拘束される。母子はバラバラにされ秘密裡に別々に収容される。そしてこの事故の全容はまだわかっていない。恐ろしく広く深く損なわれてしまった人々や大地。2020/03/28
i-miya
10
◎決死の覚悟。 イネッサ、11歳、イワンの妹。 薬を飲ませるように! 俺には責任がある。 黒鉛が燃えている。 水をかければ核反応に火をつける。
まーこ
9
チェルノブイリ原発の技術幹部の父と母、兄、妹のごく幸せな家族が事故により引き離され、孤独と傷みの中、死を迎えます。フィクションではありますが、実際このような家族は多くいたと考えられます。放射能の恐さについて、チェルノブイリから福島の事故までその現状を知る機会があまりにも少なく、危機感なく生活している私たちの生活に今不気味さを感じています。子どもにも読みやすい良書だと思いますので、原発関連の導入としてもお薦めします。取り返しがつかない惨状を知り、原発所有の恐さを考えるきっかけとなった本です。2016/10/06