内容説明
客観的な新聞記事を書くことが嫌になり、27年もの記者生活に終止符を打った著者は、いざ主観的な「私」のいる文章を書こうとして戸惑ってしまった。「私」のいる文章を書くためには、「私」自身を知らねばならない。しかし「私」ほど曖昧なものはないのだ。何かを書きためには、表現の技術は二の次で、まず表現する中身が大事であると説く、文章経験豊かな先輩からの心やさしいメッセージ。
目次
第1部 ぼくの取材ノート(奇を好む心;書物からの発想;議論からの発想;イメージからの発想;ふたたびイメージからの発想;「やっつけ仕事」の合理性;綿密と横着のあいだ)
第2部 ぼくのインタビュー論(私の会った人びと/トインビーからM・モンローまで;楽しき雑談)
第3部 ぼくのジャーナリズム観(新聞幻想・新聞への幻想;明日のジャーナリスト;新聞批判の常識)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
愛奈 穂佳(あいだ ほのか)
4
【ココロの琴線に触れたコトバ】取材とは、既成のイメージがべつの新しいイメージに生まれかわる、その道行きのことなのである。2014/11/22
KAZOO
4
森本哲郎さんが自分の経歴、新聞記者からあまりに客観的な文章を要求されるのに嫌気がさして、新聞記者をやめて、その後自分の好きな文章を書くようになったことを自伝的な要素を入れながら、わかりやすく解説してくれます。私などはこの本を読んで今こそ新聞記者全員に読んでもらいたいと感じました。今絶版となってしまっていますが、文章や記事に関する姿勢などをよく把握されていると感じました。2013/06/16