感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メタボン
34
☆☆☆☆ 少年時代を題材とした短編集。どの短編も完成度が高く、思春期前後のみずみずしい心情が思い起こされる。心中や妾を題材とした短篇がいくつかあるが、少年時代に強く記憶に残った出来事が井上靖にあったのだろうか。2021/04/27
コロチャイ
7
筆者水からの少年期の物語、この短編集、後半の物語な成る程、幻想的な要素を醸し出している、「あかね雲」「眼」などそう思った。また古い因習も重なり、少年期に体験したと思われた。2023/05/16
スエ
5
少年の目にうつる情景を描いた、18編の短編集。そのなかでも、駆け落ちの現場に遭遇してしまった男の子という設定がわりと多く、作者が実際に体験したことがベースになっているのだろう。ひとつの思い出が小説家の手によって万華鏡のようにさまざまに生まれ変わり、それを比較しながら読み進めるのはなかなか貴重。2014/05/02
そうび
4
少年というより小学生ですかね。伊豆の山村で祖母の手により育てられる「私」が多めの短編集。オトナの男女を見ると囃し立て、仲間でつるみ、永遠に忘れられない何かを目にする。それが少年期の象徴。2024/03/25
xkxxxxk
4
筆者は母校の偉大なるOBであるが、事実本作にも地元民なら一発であるイニシャル地名が盛り沢山で、時代は違えど彼の描いた優しく懐かしい、過ぎ去った日々の情景が脳裏に浮かびましたとさ。2014/03/31