内容説明
オールスター戦9連続奪三振を目前に、微笑とともにカーブを投げる江川の慎み深さこそプロである。―過程よりも結果に執着するスポーツ紙、テレビ解説的言説に敢然と反逆し脚光を浴びた美人華道家、草野進が、今ここに〈プロ野球批評〉の開幕を宣言する。蓮実重彦、渡部直己、尾辻克彦、柄谷行人、糸井重里、立松和平ら、草野進とその支持者20余名による、革命的プロ野球評論書。
目次
投手論 投手は嫉妬の頂点に屹立しつづけねばならない
捕手論 捕手は2領域を自由に往復する道化たる自覚を忘れてはいけない
走塁論 走ることの凶々しさを懐柔しつづけるかぎり、プロ野球に未来はない
送球論 その一瞬、野手らは最後まで非凡たりつづけねばならない
監督論1 祈ることの凡庸さと祈りを知らぬ不幸とが監督の質を決定する
私論1 アイムは失礼!である
私論2 野球の醍醐味とは革のスポーツであることにある
パ・リーグ論 太平洋ひとりぼっち
書かれた野球論 『12人の指名打者』『どうしたって、プロ野球は面白い』『アメリカ野球ちょっといい話』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山田太郎
30
久しぶり読んだけど、今読んでも面白い。この手のやつあんまり最近やる人いないんで、なんだか新鮮。江川とか中畑とかからむと面白いな。2014/01/20
しゅん
10
勝敗という結果を一義とする野球観(およびスポーツ観)の蔓延に対して、運動という過程の側に立つ批評集。蓮實重彦・渡辺直己、柄谷行人などおなじみの前触れだけでなく村上龍・糸井重里・ねじめ正一なども執筆陣に連なる。草野進と渡辺直己の連名による日本シリーズ観戦記が一番面白い。ラジオ・テレビ解説との落差が快感。蓮實重彦の映画評を読んでいると馴染みやすすぎるくらいの内容。それにしても「草野進という名の女性華道家」がなぜ要請されたのか。ここに一番興味がわく。千葉雅也曰くの「姑としてのクィア性」は草野進に顕著。2022/06/07
たーくん
3
再読。でも、かつて読んだ時ほど感動はなかった。2008/01/21
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