内容説明
もしも、あの時、釣りに行くのを中止しなかったら、もしも、あの時、顔見知りに会わなかったら…偶然が重なって、一人の男が死んだ。ごく平凡に見えるこの事件に微かな違和感を抱いた刑事がいた…偶然性を扱った画期的な作品「偶然かしら」の他、一幕サスペンスの「歌で死ぬ」写真トリックを使った「仰角の写真」「印画紙の場面」など、9編収録のオリジナル短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
petitlyz
17
タイトルで面白そうだと思って読んでしまった。発行が1989年なので35年も前の作品だった。 10編の短編集。会話の言葉遣いもちょっと昔っぽいし、インターネットもスマートフォンもない時代で、雰囲気が全体に昭和だった。でもストーリーは表題作「偶然かしら」を筆頭に、「歌で死ぬ」「消えない女」など、面白かった。2024/02/12
tow
7
案外面白かった。偶然は作り出せるのだ。バレるけど(笑)2017/11/09
koo
5
第8短編集。この作品集も作者らしい会話の妙でストーリーに引き込まれ意外性のある反転ミステリの数々を楽しみました。予想通りの展開の作品も多いですが今読んでも読みやすい社会派ミステリでした。バタフライエフェクトを扱った「偶然かしら」新聞の投書が効果的に挿入され事件の見え方が変わる「行角の写真」が特に作者らしくて良かったです。2024/03/22