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新潮文庫
愛の渇き (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 265p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101050034
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

満たされぬ心。空回りする愛。

杉本悦子は、女性問題で彼女を悩ませつづけた夫が急逝すると、舅弥吉の別荘兼農園に身を寄せ、間もなく彼と肉体関係に陥った。彼女は夜ごと弥吉の骸骨のような手の愛撫を受けながら、一方では、園丁三郎の若若しい肉体と素朴な心に惹かれていく。だが、三郎には女中の美代という恋人がいることを知った時、悦子は……。〈神なき人間の逆説的な幸福の探求〉を主題にした野心作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

283
主人公悦子の果てしなき愛への飢餓と、ロマネスクで過剰な想像力の自己増殖と、その自己崩壊の物語。同時にそれは、悦子の属する階級の終焉の姿でもあった。すなわち、本編は三島版の『斜陽』であるともいえる。ここでの三島の物語作法の特質は、悦子の行動を作家が分析して読者に開示して見せるところにある。これを「なるほど」と感心するか、わずらわしいと思うかで本編の評価が分かれるだろう。いずれにしても、ひじょうに見事な人間心理の解剖ではあろうが。また、阪急電車宝塚線の岡町駅、米殿が物語の場に選ばれているが、この選択も絶妙だ。2012/08/18

遥かなる想い

155
三島由紀夫の物語は、時として卑猥な想定が多く、通勤電車で読みにくい場合があるが、本書もそうである。仕方がないので、ブックカバーで隠しながらこっそりと読んでいた。郊外の隔絶された屋敷に舅と同居する未亡人悦子が 、夜ごと舅の愛撫を受けながらも、園丁の若い男に惹かれるという設定は、エロ本のようであるが、不思議といやらしくなく、そこが小説家の筆力だろうと変な感動をした記憶がある。2010/06/12

優希

118
生きる証は愛の証にあるような逆説的幸福に浸るための1冊と言うべきでしょう。夫の急逝により、愛に解放された悦子の堕ちた肉体的愛撫、そして魅了された若い肉体と素朴な心。そこから愛の成就というより嫉妬の喜びというマゾヒズムが透けて見えました。愛に渇いたとき、自らの感情を堕としこむ貪欲さへとなりゆく性のあり方に魅了されました。2017/05/25

ゴンゾウ

105
一見、薄幸な女性と思われたヒロイン悦子が年下の素朴な青年三郎とその婚約者美代との関係を知った後大きく物語は展開する。舅弥吉の嫉妬も絡みラストの激しさに圧倒された。2014/08/20

じいじ@

102
見栄坊で女たらしの夫に急逝された妻・悦子を主人公に描いた一作。何ゆえに悦子が夫の死後一年も経たないうちに、夫の父親邸に移り住み、身まで委ねる気になったのか?…不可解なその答えは、読了しておぼろげに理解した。骸骨老人の愛撫を受けた女は、その愛撫から逃れられないのだ。愛撫の描写が、蝶の誕生に比喩して美しく描かれています。何とか読了したが、既読の2作と比べると難儀した。文体、そして人間の生〈生き甲斐〉を探求する内容ともに、文学的・哲学的すぎて硬くなった頭には難しく、度度立ち止まって考えさせられる小説でした。2019/10/13

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