出版社内容情報
私があなたを、檻から助け出す。どんなことをしてでも、必ず――。幼い私を守った銃弾が、あなたからお母さんを奪った。あの日から、あなたの声が聞こえる。「ここからだして、かえりたい」。人生のすべてを懸け、血のにじむ努力を重ね、ついにあなたのそばに辿り着いた雨子は、その唯一つの願いを叶えられるのか。真っ直ぐな想いに言葉にできない熱い涙がこみ上げる。少女(あたし)と子熊(あなた)の、愛の物語。
内容説明
私があなたを、檻から助け出す。どんなことをしてでも、必ず―。幼い私を守った銃弾が、あなたからお母さんを奪った。あの日から、あなたの声が聞こえる。「ここからだして、かえりたい」。人生のすべてを懸け、血のにじむ努力を重ね、ついにあなたのそばに辿り着いた雨子は、その唯一つの願いを叶えられるのか。真っ直ぐな想いに言葉にできない熱い涙がこみ上げる。少女と子熊の、愛の物語。
著者等紹介
片岡翔[カタオカショウ]
1982(昭和57)年、北海道生れ。2014(平成26)年に映画「1/11」を監督。脚本家として「ノイズ」などを手がける。’17年、初の小説『さよなら、ムッシュ』を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nao Funasoko
20
大きくて怖くて獰猛な熊と人間との戦いという"クマ小説"は何作も読んできたけれども、本作はそれらとは全く趣を異にする。かといって「くまのプーさん」ともまたちょっと違う。これは人と熊のラブストーリーなんだろうか!? 主人公の性格には共感も感情移入もできないのに、なんだかよくわからないけれども一気読みしてしまった。 一つひとつのエピソードや登場人物のキャラが極めて映像的だと思いながら読み進めてみれば、巻末の解説で著者は映画監督だと知り、至極納得。2022/08/19
Cidenon/土曜朝10時読書配信
11
子熊のために人生を捧げ、子熊とは関係のない人間たちとの関係は軽視する。 子熊以外の動物との触れ合いは一歩でも子熊に近づくための手段でしかない。 ある特定の命を大事にするあまり、自分も含めた他の命を蔑ろにしていることに気づかないだろうか。 自分が安易に熊に近づいたせいで、猟師に不要な殺生をさせてしまったという発想には至らないだろうか。 動物愛護の点からみれば、子熊を山に返すという悲願が達成されれば幸せな結末になるのかもしれない。 でも、そこに至るまでに多くのものを捨ててきた雨子の幸せは?2022/01/25
和三盆
1
主人公の考えとか行動が極端でぶっとんでるけど、まっすぐでいいなと思った。主人公目線で、周りの人について丁寧に描かれているのも印象的。動物愛護、とかじゃなくて、愛だなぁと思う。
みどがえる
0
★★★★☆2022/02/27