出版社内容情報
メロスは激怒した。誰も信じることのできない孤独な王が、暴虐の限りを尽くし、罪なき人々を殺すというのだ。命をかけて抗議をした向こうみずなメロスは王に、親友のセリヌンティウスを人質にして、三日のうちに必ず帰ってくることを約束する――。友情と信頼の大切さを一途につづった、唯一無二の名作。
内容説明
メロスは激怒した。誰も信じることのできない孤独な王が、暴虐の限りを尽くし、罪なき人々を殺すというのだ。命をかけて抗議をした向こうみずなメロスは王に、親友のセリヌンティウスを人質にして、三日のうちに必ず帰ってくることを約束する―。友情と信頼の大切さを一途につづった、唯一無二の名作。
著者等紹介
太宰治[ダザイオサム]
1909年、青森県金木村(現在の五所川原市)生まれ。1935年、「逆行」が第一回芥川賞の次席となり、翌年第一創作集『晩年』を刊行。戦後『斜陽』でベストセラー作家となる。朝日新聞に「グッド・バイ」を連載中の1948年、玉川上水で入水し、没。遺体が発見された6月19日を桜桃忌と呼ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hukkey (ゆっけ)
11
上質なカバーに惹かれて購入。小学生のときに原作かアニメを見たようなうろ覚えで、今読むとツッコミ所はありつつ新鮮。切実な背景だと思い込んでいたが、暴君に憤ったメロス自ら城に乗り込んで捕縛されて、会う前の友人を人質にして必ず帰る約束をするという。ただ20ページ程度の中に、信頼と友情、迷いや感謝を凝縮している。王様でさえ「約束を守るかもしれない可能性」がおそらく過ったから暴漢を寄越していて、人間のベースにある信頼を再確認してくれる感じがする。短編集というのも知らなかったが、「富嶽百景」「東京八景」も収録される。2024/03/25