内容説明
老成と若さの不思議な混淆、これを貫くのは豊かな詩精神。飄々として明るく踉々として暗い。本書は初期の短編より代表作を収める短編集である。岩屋の中に棲んでいるうちに体が大きくなり、外へ出られなくなった山椒魚の狼狽、かなしみのさまをユーモラスに描く処女作『山椒魚』、大空への旅の誘いを抒情的に描いた『屋根の上のサワン』ほか、『朽助のいる谷間』など12編。
著者等紹介
井伏鱒二[イブセマスジ]
1898‐1993。広島県生れ。本名、満寿二。中学時代は画家を志したが、長兄のすすめで志望を文学に変え、1917(大正6)年早大予科に進む。’29(昭和4)年「山椒魚」等で文壇に登場。’38年「ジョン万次郎漂流記」で直木賞を、’50年「本日休診」他により読売文学賞を、’66年には「黒い雨」で野間文芸賞を受けるなど、受賞多数。’66年、文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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