新潮文庫<br> 親ができるのは「ほんの少しばかり」のこと

新潮文庫
親ができるのは「ほんの少しばかり」のこと

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  • サイズ 文庫判/ページ数 196p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101018249
  • NDC分類 367.3
  • Cコード C0136

内容説明

親は、子の性別も、容姿も頭のよさも性格も健康も、備わったままを受けとめるしかない。その上で「できること」を探り、何とか一緒に生きていく。では何ができる?翻って自分は幼い頃、どんな時幸福で、どんな時不幸だったろう。何が今の自分を育んだろう―子供は自分の成熟する場所だった、という三児の父の著者が、四年をかけ心をこめて語り尽した親子考。きっと気持が穏やかになります。

目次

第1章 一男二女あり(産院待合室での前奏曲;子供は暴君? ほか)
第2章 父のこと、家のこと(小学生のころ(昭和十六年~昭和二十年)
父母とすごした時間 ほか)
第3章 家族は「人間」を知る場所(心の傷も栄養になる;家庭内暴力のこと ほか)
第4章 親にできることは、少し(人生の意味;基準は生身の子供 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

60
この題名に「その通り」と思う。著者は書く。<うまれて来たときから子供は他ならない「その子」です。他のこと交換可能な個性のない存在ではありません。決して思うような絵など描かせてくれません。放任主義かスパルタ教育か、などという呑気な二元論を簡単にふきとばす存在です。教育次第だと思ったり、子供がいけないのはなにもかも親のせいのように思うのは、傲慢です。親ができることは「ほんの少しばかりのこと」です。親の力の限界を知り、その中でどう生きるかというのが、子供との関係の基本だと思います>と。うんうんと頷くばかりで……2023/12/02

ばちゃ

16
山田太一氏の子育て論および人間論。インタビュー形式で言葉が平易であり読みやすい。私自身は親ではないので、判らないことはたくさんありますが、人に対峙するときにも言えるのではないかという事柄も多くあります。読んでいて、心地がよかったです。太一さんの子供時代についても記載があり、興味深くもありました。また読もうと思います。2014/12/20

fonfon

6
「ひとは暗闇のなかで育つ」という山田太一さんのドラマをみて育った私などは、「男の視点」もしくは「男の子」の視点を彼の描かれたものから学んできたように思う。「親によって、言葉によって、解決されない世界で、ゆっくり育ってくる魂のようなもの」について書かれている。題名がストレートなので引けるかもしれないが、「言葉」に関心を寄せる、子どもを持たないまだ若い人たちにも是非お勧めしたい本。2011/11/07

てくてく

2
インタビューがベースとなっているためか、平易な文章でまとめられている。タイトル通り、山田氏の子育てを軸とした、人生論。子供をとにかくかわいがり、そして子供から幸せを受け取ったこと、犯罪と子供を中心とするストーリーは作らないようにしていたこと、子供の闇(嘘をつくことを許容する等)を受け止めることなど、なるほどと思わせる点が多かった。これは再読本。2014/05/23

kemonoda

2
紹介されて読んだのですが、ともてよい本でした。山田太一さんの子育て体験を軸とした、子育て、家族、教育、人生、などの話。平易なことばでとってもたいせつなことが語られています。人間は矛盾して非論理的な存在だから、その矛盾や非論理性を否とするのでなく、その解決不能な部分を肯定して生きていくことが必要なんだ、というふうに僕は受けとめました。まったくそのとおりだと思いまして、普段のもやもやを簡単な言葉で解り易く語っていただいたことに感謝。2014/03/27

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