内容説明
どうして私はこんなに生きづらいんだろう。母から、男から、世間から受けてきた抑圧。苦しみから解放されたくて、闘いつづけているうちに、人生の半分が終わっていた。自分がラクになるために、腹の底からしぼりだしたもの―それが“私のフェミニズム”。自らの体験を語り、この社会を覆い尽くしている“構造としての女性差別”を解き明かす。すべての女性に勇気と希望を与える先駆的名著。
目次
第1章 気づいたときからフェミニストだった
第2章 女はドレイになるようにつくられる
第3章 小さく小さく女になあれ
第4章 ペニスなしでどこまで人を愛せるか
第5章 抑圧のファミリー・チェーンをどう断ち切るか
第6章 ただのフェミニズムを求めて
著者等紹介
田嶋陽子[タジマヨウコ]
1941(昭和16)年、岡山県生まれ、静岡県育ち。満州や母の故郷の新潟で戦時中を過ごす。’69年、津田塾大学大学院博士課程修了。2度イギリスに留学。’76年、法政大学教授。2001(平成13)年、参議院議員。還暦を過ぎてからシャンソンと「書アート」を始め、自分の世界をつくるべく格闘中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
100
自らの生い立ちを起点に女性が差別される日本の社会構造を追求する。女側にしか存在しないとする性差別論やジェンダー二元論は時代性と共に私情も感じる。言及は社会モラルや美意識にも及ぶが、起点が過剰な自意識に基づくので一事を万事と見る突飛な憶測も多い。差別を差別と思わない人にもわかりやすく書いた点が魅力なのだろうが、表面的な観察からの断定は学術的にマイナス。資本主義への加担推奨は格差是正がある次元に達すると再び現前する問題。海外を引き合いに出すなら何故に日本が遅れを取るのか的を絞った分析をした方が有意義だと思う。2024/06/15
mazda
75
5ページ読んでは休憩、というルーチンを繰り返さないと読めないくらい、かなりヘビーな内容でした。自身の恋愛経験の後、「ああ、そうか、私はこの男を通して、実は自分の母親と戦っていたんだ」という著者の声が、とても生生しかったです。そのくらいまで自分の母親の残像が鮮明に残った状態で生き続け、それに抵抗するように生きてきたのかも知れません。今でも介護は女性がやって当たり前と考えられていますし、結婚したら仕事を辞めるのが当たり前だったりします。とは言え、役割分担がないと成り立たないのも世の中で、永遠の課題でしょう。2024/09/12
ネギっ子gen
75
【発掘再読本】ちょっとした田嶋陽子ブームらしいじゃないですか。この初版本が出たのは、もう四半世紀も前ですか……。その際は、題名に惹かれ速攻読んで感激したものだが、今はもう化石本かな~と思いながら読み直すも、いやいや、これはまだ現代に十分通用する内容。時代はちっとも進んでいないというか、時代が田嶋陽子に追いつきましたかね。さて、あたしゃ単行本だが、今度の文庫化ちょっと違うところがあるようで。単行本には写真がふんだんに掲載されています、はい。日常の様々な表情、照れ臭そうにお茶目なポーズを決めた写真などなど。⇒2020/01/27
ヒデミン@もも
41
多分、昔読んだことある。田嶋陽子さんのイメージが変わる。フェミニズムというと、私の中ではイメージがよくないが、ジェンダーというと良くなるのはなぜか。田嶋さんにも娘の母となって親心を分析して欲しかった。解説は山内マリコさん。2020/03/06
ゆきらぱ
40
語り言葉でわかりやすいフェミニズムの本です 恐ろしいほどに芯を突いてくる。女は家事育児の奴隷。本当にそうだと思ったり、しかし奴隷の仕事の割には育児の時代にそれまで味わった事がないような幸福感があったのは一体なんだったのと思い返したり。視野が広がるのでまた読んでみようと思います2020/05/14