内容説明
漱石の作品は、かなりヘンテコリンで面白い。『こころ』は男同士の恋愛を軸に展開する話とも読めるし、『文鳥・夢十夜』では文鳥を眺めて美しい女の影を夢想しながら、実生活では奥さんの尻に敷かれがちな漱石の姿が見えてきます。それは普通の人間の、百年経っても色褪せない日々の姿です。
目次
超早わかり!漱石作品ナビ
10分で読む「要約」夏目漱石
声に出して読みたい夏目漱石
私、漱石のファンです
評伝 夏目漱石
漱石文学散歩
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
83
久々に漱石でも読もうかなと赤い背表紙を目印に本屋の本棚を見たら、な10にこの本を見つけた。なんだかふざけた表紙の本だなと思ったが、読んでみたら面白い。三浦しをんの「先生の奥さん」目線の指摘、漱石文学散歩で神楽坂と新潮社本社と「それから」にある場面の対比、評伝夏目漱石で金銭主義を嫌った漱石が千円札の顔になった皮肉、漱石おすすめ作品コースもある。コースに従い、坊ちゃん>三四郎・それから・門>彼岸過迄・行人・こころ>草枕>道草>明暗>吾輩は猫である>硝子戸の中の順に読もうかな。やっぱり赤い背表紙の新潮文庫でね。2020/09/10
kinkin
79
芥川龍之介はスッと読めるが漱石になるとどうも構えてしまうのは何故・・・「こころ」を読む前にこの本ですこし鍛えたほうがよいかなと思い読んだ。この本によるとはじめは「坊ちゃん」から入ったほうがよさそうだ。中学生の時に読んだがそう面白いと思わなかったのは読書感想文のために読まされたからかもしれない。ということでまず「坊ちゃん」を先に読んでみたい。いつもながら急に気が変わるのでいつのことやら・・・ちなみに一月二日にテレビドラマで「坊ちゃん」が放映されるようだ。これも気になるなー2016/01/01
獺祭魚の食客@鯨鯢
68
人間は一人で生まれ一人で死んでいく。 漱石は西洋の対等な立場での友愛や恋愛が絵空事であることを留学中に知ったのでしょう。 そんな思いを「こころ」などの作品で日本人には「曽根崎心中」のような「義理と人情」の世界がしっくりくると問いかけた。 「私(だけ)の個人主義」と「即天去私」こそが明治最高の頭脳が到達した理想とする生き方でした。 「自我(意地)を通して他者を傷つける」ことを自制することこそ現代人には一番苦手なことではないか。 人を死に追いやるのはウイルスではなく、差別する気持ちですから。 2020/07/02
月讀命
68
夏目漱石の作品は、『坊ちゃん』『三四郎』『門』は完読した。若い頃、全作品を読もうと意気込みながら、結局、分厚い『吾輩は猫である』は途中で挫折し、『こころ』はよく意味が解らず頓挫、『草枕』は冒頭の有名な部分のみ・・・で終わっていた。漱石完読の為のナビゲーターとなりそうなこの本を書店で見付けて、まず予習。18頁の漱石おすすめコース(BESTな読む順番)に従い再挑戦開始。まず『それから』の読破より始めようと思う。『吾輩』は『明暗』より後に年老いてから読むのが良いとの事で、挫折するのも無理はない。今ならOKかも。2014/10/19
コウメ
61
恋愛の内容が多いのか〜いいね。ドキ(*´ェ`*)ドキ。紹介されている作品は「こころ」「三四郎」「夢十夜」「坊ちゃん」「草枕」「行人」「彼岸過迄」「道草」「明暗」「吾輩は猫である」とにかく恋愛作品が多いとの事、個人的は「三四郎」と「草枕」、「三四郎」の内容を少し書いていて、「二十歳前後の同じ男女を2人並べてみろ。女の方が万事上手だあね。男は馬鹿にされるばかりだ。女だって、自分の軽蔑する男の所へ嫁に行く気は出ないやね。」と書いていて、凄いな女実生活でもつくづく思うわ。また、「こころ」は授業でやってkは2019/10/17
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