内容説明
鳥取の砂丘でテレビCM撮影中の舞妓に毒が盛られ、祗園花見小路では同輩が殺された。しかも、事件は意外な方向に飛び火し、俳優の元の妻に続いて、疑惑の俳優自身も、琵琶湖畔の別荘で謎の死を遂げる。それは自らの犯行を侮いての自殺だったのか、それとも他殺か?トリックの女王山村美紗が、舞妓小菊と高名な日本画家沢木のコンビを配して描く、斬新華麗なミステリー・ロマン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
118
山村美沙さんの京舞妓・小菊シリーズの好編です。山村さんの作品は一冊で大勢の殺人事件が派手に起きるのですが不思議と暗くならないのはご陽気でさっぱりとしたお人柄だったからでしょうね。本作では現代的な話題性のある密室トリックで楽しませて頂きました。京舞妓・小菊は年上の日本画家・沢木より頭脳明晰ですが気まずくならないのがグッドですね。そして事件解決後のやれやれというお座敷の場で著者はオマケでもう一つサプライズを仕掛けて読者にサービスしてくれておりまして、こういう演出も誠に関西ならではの情があって私は大好きですね。2018/03/21
美和
4
舞妓を可愛がって水揚げしようとするお金持ちのおじさんとなると、いやらしく感じそうなものなのに、沢木先生にはそうならない。沢木先生が小菊の身を心配しているとともに、沢木先生を思う小菊が可愛いから。2024/10/16