内容説明
権力の中枢で、人を裁く御番所頭を父に持つ少年・田倉新吾。塾をさぼって梅林をぶらついていた時に偶然、黒覆面で裸馬を乗り回す暴走族グループの正体を知ってしまう。父に告げ口をしないという彼らへの証しに、すっ裸で御城下を走ったため、新吾はおとがめを受けて投獄されてしまう…。『ひげよ、さらば』の著者が父子の関係、子供の自立をテーマに綴ったチョンマゲ小説の傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じゅんぷう2000
10
チョンマゲ小説。御番所頭の息子、新吾が、裸馬を乗り回すヤツらの正体をたまたま見てしまう。親父に言わないと約束の担保に素っ裸で、城下を走ったために、お牢に入れられてしまう。お牢での役を経験したり、お牢に入れられた人の話を聞いて、父への思いや、世間への考え方に変化がでてきそうな、上巻。また、御番所頭の父も、息子のお牢入りをきっかけに変化が、見えてきそうな予感。御番所頭は検事と判事の役目。 2016/01/17
無識者
9
御番所頭を父に持つ主人公は意地を張る中で裸で町内を走ることになった。父はその息子を牢に入れる判決を言い渡す。牢のなかで、主人公は外の世界寝触れ、いろいろ知っていき、その里の在り方に疑問を抱く。特に父が終身刑を言い渡した老人が冤罪であるという話を聞いてしまう。それでおやじに「おききしたいことがある」というところで上巻は終わる。題名の通り親と子の関係をかなり扱っている。親は子供にどういう風になってほしいという期待をある程度持っている。しかし子供もいつまでも子供ではない。期待と自分の在り方が衝突する2017/08/16
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