内容説明
四国の図書館に着いたカフカ少年が出会ったのは、30年前のヒットソング、夏の海辺の少年の絵、15歳の美しい少女―。一方、猫と交流ができる老人ナカタさんも、ホシノ青年に助けられながら旅を続ける。“入り口の石”を見つけだし、世界と世界が結びあわされるはずの場所を探すために。謎のキーワードが二人を導く闇の世界に出口はあるのか?海外でも高い評価を受ける傑作長篇小説。
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新聞書評(2013年3月~2014年12月)の本棚
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新聞書評(2016年)の本棚
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
965
ともかく物語は終結したが、いくつかの新たな謎は残されたままだ。なぜ父は2度までも殺されなければならなかったのか、がその最たるものだろう。だが、そもそも、この小説でも繰り返し問われているように、死や生の意味が不可解である以上、それはそのままでもいいのかも知れない。複線的に語られる主人公達がとうとう直接の交点を結ばない構成もいい。ナカタさんとホシノ青年は、他では見られない秀逸な存在だ。「猫の言いなりになって昼寝をする」には、思わず笑いつつも深く共感した。第48章「諸君、焚き火の時間だ」で終わってもよかった。2012/09/01
HIRO1970
537
⭐️⭐️⭐️この後に書かれた本は別として、今まで私が読んだ村上さんの作品30冊の中では一番良い作品だと言い切れる名作だと思います。最近の傾向として陰鬱で残酷なシーンも一部ありますが、これは人間誰もが保持している二面性の現れなのだと思っています。即ち強力な善が存在すればそれに釣り合うだけの悪が均衡を保つ為に必要なのではないかと思えてしまうわけです。確実に進化していく村上さんの作品からますます目が離せません。登場人物も段々と増えてきているような気がするのはただの気のせいでしょうか?2014/06/11
遥かなる想い
462
本書は海外で評価が高いらしいが、少し不満の残る終わり方になった。15歳と50歳の佐伯さんが母であり、さくらが姉であり、20歳で人生が終わった佐伯さんのその人生を少しは 書き込んで欲しかった。ある意味、村上春樹ワールドを楽しませてくれたがこのペースだと 飽きがくるのがやや残念。2011/02/06
ehirano1
447
マジックリアリズム炸裂!タフな15歳のメタファーを駆使した「記憶」と「宿命」が化学反応した物語だったと思いました。2024/12/08
zero1
416
【無】は増えるのか?開けた入口は閉じなければならない。高松にたどり着いたナカタと星野コンビ。長い眠りにカーネルや兵士など、いろんな解釈が可能。悪く言えば投げっぱなし。カフカの父を殺したのは誰?読まずに焼き捨てる長文に何の意味がある?カフカの呪いは解け、自分を取り戻すことができたのか?大切なのはすぐに出す答えではなく、求め考え続けること。もしあなたが父親と溝ができているのなら。両者が生きているうちに和解しよう。村上自身がそうだったように。何度読んでも、この作品世界はどっぷりと浸れる。人はどこへ向かう?2020/07/16
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