出版社内容情報
春子はスターに…だが金塊を巡る抗争激化!
映画デビュー作が大ヒットした女優・春乃こずえこと春子は、一気にスターの階段を駆け上がり、演技の才能を開花させていく。
春子が女優としての輝きを増すその影で、山岡は春子が拉致された際に注射された薬を製造した人間の捜索を決意していた。山岡は、財前が陸軍少将だったことから、薬の製造主は戦時中の七三一部隊関係者ではないかと推測し、刑事である菅原にその考えを打ち明けて協力を持ちかけた。
裏社会の人間である山岡からの話に菅原は返答を渋るが、立場は違えど春子を護りたい気持ちは同じだと語る山岡に、菅原は共感を感じ始めていた…
そして、金塊を巡る抗争のキーパーソンとして山岡と菅原にその身を捜されることとなった伴 純吉。財前の依頼で薬を作っている彼は、一体いかなる人物なのか。山岡は伴を捕らえることができるのか…戦争の影がまだ色濃く残る時代に、金塊を巡る抗争が激しさを増す、単行本第5集!!
【編集担当からのおすすめ情報】
春子の身を案じ、幸せを願う男、山岡と菅原。裏社会と警察という、真逆の立場に生きている二人ですが、春子を守るという共通の目的のため互いの距離が縮まっていく様子は胸熱です!
さらに、財前の依頼で薬を作っている男・伴 純吉が捜索されることになり、山岡の部下達が奔走。山岡一派は伴を見つけることができるのか…目が離せない単行本第5集、是非ご一読ください!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
9
敵を追い詰め、敵がさらに逆襲をする怒涛の展開。そこに春子の女優としての活動が重なり、より読ませる。突然に出てきた731部隊との関連だが、しかし単なる煽りで出していい名前ではないことを自覚する小山ゆうは、戦争犯罪という悲劇をきちんと描くことを忘れない。にしても、映画の撮影で涙を流す春子のカットには魅せられる。決して正確ではないデッサンなのに、グッと心を鷲掴みにされるのだ。いや、それは正確ではないからゆえかもしれない。2025/06/19
KDS
4
映画デビューを飾り一気にスターの道を駆け上がる春子。しかしその裏で、金塊を巡る抗争は激化しつつあった。春子が以前誘拐されたときに薬を盛られたことがあったことから、山岡はその薬を製造した人物を探し出す。その男、伴純吉を捕えたまでは良かったが、伴を監禁していた所に何者かに手榴弾を投げ込まれて見張りの四人もろとも爆殺される。しかしその事件は報道ではガス爆発とされ、真実は隠蔽された。財前にマスコミを抑える力があるとは思えない。それは、更に力を持った者が財前の背後にいることの証明でもあった。ついにラスボスの登場か?2025/06/02