出版社内容情報
春子、女優・春乃こずえとして映画界へ!!
山岡から、映画女優、そして歌手としてデビューすることをもちかけられた春子。
だが、旧陸軍の隠し金塊を巡り、身の周りの人も自分も危険に晒されている状況を憂いた春子は、デビューの申し出を断ってしまった。
だが山岡は、スターとして輝くことこそ、逆に悪党が近づきにくくなるという自身の考えとともに、才能がある春子には夢を諦めないでほしいと説得。
座長を含む劇団の仲間達の賛成もあり、映画界にデビューする決意を固めた。
そして初主演作品『残侠の華』も決まり、新天地で生活をスタートした春子だったが、春子のデビューを知り、以前より春子を狙う梶、そして財前が苛立ちを募らせていた。彼らの次の攻撃とは…それに対し、山岡は春子を守れるのか…夢を叶え、スターへの道を駆け上がる春子の水面下で、新たな危険が迫る――!!
華やかな昭和の映画界と、旧陸軍の隠し金塊を巡る陰謀が交錯する、大人気ヒストリカルサスペンス第4集!!
【編集担当からのおすすめ情報】
大衆演劇の人気女優だった春子が、ついに映画デビュー!
旧陸軍の隠し金塊という、戦争の闇が生んだ陰謀に翻弄されながら、自身の夢を追う春子を、興業を仕切る組織の長、山岡がサポートすることに。
だが順風満帆なキャリアを歩きだす春子に対し、金塊を狙う梶、財前が諦めるはずもなく、春子に新たな危険が襲いかかります。
昭和の華やかな映画界と、その裏で渦巻く陰謀に目が離せない最新刊、是非ご覧下さい!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
19
中には時代錯誤な物語だと感じる読者もいるかもしれないが、そこは「あえて」と思いつつ読み進めてきた。春子が映画デビューするという展開も、凡庸だと指摘できなくもない。だからこそ、この展開には期待したいところだ。映画女優となることが、隠し金塊の行方、あるいは陰謀への打開が大いに絡んでくるはずだと信じたいのだ。2025/03/01
KDS
4
山岡の勧めにより、春乃こずえとして映画女優、そして歌手としてスターへの道を歩むことになった春子。山岡は組織の人間を総動員して春子を警護する。新天地での生活を始めた春子に、金塊を狙う梶や財前の魔の手が忍び寄る。山岡の組織というのはつまりはヤクザなわけだが、この作中ではどこか正義の味方のような立ち位置。この時代だからこその設定のようだが、逆に「山岡はまだまだ解っていないのだ。私の持っている国家権力の…闇の部分の恐ろしさをな」という財前の台詞。これこそ現代にまで脈々と受け継がれている悪習のように思えて恐ろしい。2025/03/03