出版社内容情報
生きた証を残すーー3編を収録!
事故で妻を失った大学の理事長は研究中の技術により
妻の記憶をAIに移植しアンドロイドに搭載することに。
その“従順”な妻が語る事実とは…表題作
「AI星功」。
“遺影”カメラマンが撮影したはずの
写真の人物は生きている!?
「星灯りに照らされて」。
旅先で出会った女と一夜を過ごし、手にしたものは…
「白狐星雲」。
全3編を収録。
【編集担当からのおすすめ情報】
人が残してゆく記憶・姿・業……
1編ごとに、身につまされる珠玉の3編です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新田新一
30
弘兼憲史画業50周年記念、3ヵ月連続刊行の第3弾の単行本です。大人の男女の恋愛をさまざまな形で描いてきたこのシリーズが好きで、初期の頃から読んでいます。今回は何といっても3番目の話「AI星功」が傑作。主人公の妻が飛行機の時期に巻き込まれて急死します。傷心の主人公は、妻の脳をAIの中に収めて、人型ロボットに搭載することに同意。妻そっくりのロボットが家にやってくるのですが……。不倫、嫉妬、復讐といった色々な要素が注がれた物語で、読み手の心を強く揺さぶります。結末で主人公が流す涙に深い余韻を感じました。2024/12/06
ぐうぐう
17
三編が収録されているが、どのエピソードも面白い。「星灯りに照らされ」は、安楽死を扱いながらも夫の失踪の真相を辿る物語となり、その真相に意外性があって読ませる。続く「白狐星雲」では、なんと狂犬病が取り上げられていて驚く。そして最後の「AI星功」は、瀕死の妻の記憶をAIにより移植するSF的ストーリーだが、ここでもまた予想外の展開がある。画業50年にして、ノリに乗ってる弘兼憲史なのであった。2024/12/11
KDS
4
三か月連続刊行のラスト第74巻。「星灯りに照らされて」「白狐星雲」「AI星功」の三編を収録。「星灯りに照らされて」は安楽死法が施行された近未来。ここでの物語とは関係ないが、こんな法律が実際成立してしまうと様々な弊害が起こる。治る見込みのない苦しむ患者への慈悲的側面もあるが、要は自殺を法的に認めちゃうってこと。作中ではさらっと流されているが、法の施行後自殺者が激増したという記述が。現実化すると恐ろしいことになる。「AI星功」は事故死した妻の脳から記憶をAIに移しアンドロイドに搭載。これも現実化しそうで怖い。2024/11/30
すうさん
2
黄昏流星群にはまってからずいぶんになる。すでに74巻になった。確かにこれだけの作品のネタを考えるのは凄いことだと思う。長い連載の間には空想的なもの、SF、ファンタジーなど荒唐無稽な物語もあった。しかしそれでもなお「人生の黄昏」時に起こる様々な物語のなかで、とくに淡い恋愛感情が流れ星のように一瞬の輝きを放つ。我々還暦を過ぎたものが追い求めるものはこれなのだといつも感じる。人生の悲哀を知った上での物語は一層深くなることをこの漫画が証明してくれている。2025/01/15
肉ドンキ
1
✒️評価 B+2025/01/13