出版社内容情報
病院買収編、極点!!
スキャンダルで揺れる白栖総合病院。
追い討ちをかけるように架空債権の詐欺で白栖元医院長が逮捕された。
「病院を譲れ」と恫喝してくる事件屋の出現。
病院の事務局長と密談しながらほくそ笑む半グレ・壬生。
病院から金を搾り取るだけ搾り取ろうとする顧問弁護士・相楽。
一連の流れは偶然か、それとも誰かが複雑に仕組んだ罠か。
病院の未来を考える者がひとりもいない中、
弁護士・九条が鋭いメスを入れる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
33 kouch
20
フィクサーのような謎の人物が壬生と宇治に語る言葉が重い。道徳の三段階の話。自分で物事をはかる軸がないと流される。逆にあれば一廉のなにかにはなれる。手術失敗で遺族から訴訟を起こされた正孝Dr.に原因は事前説明でなく事後の説明にあると諭す九条。"相手が欲しいのは専門的な難解な説明ではなくて、人のために尽くしたように感じる言動です"最後の薬師前さんの一件で全てを丸く収める九条。誠実で真摯であることが大切。理想の仕事。しかもそれを沖縄でやるとは。2025/03/30
lily
8
病院編完結。駆逐されるべきSM大好き人間が駆逐され、能力ある正孝が経営者となる落ち着いたラスト。甘い汁を吸う半グレが搔き乱したが、承認欲求の塊である幸孝との違いが対照的な物語だった。後半は密室で行われたセクハラをめぐるショートストーリー。セクハラの被害者でありながら、加害者支援を行う自分の仕事との向き合い方を考えるために闘うことを決意する薬師前さんが素敵。2025/02/12
けん
4
セクハラ整体師のような小さな事件の対応もよいですね。2025/03/16
Worldさん
4
病院編完結。なんかヌルッと終わるんだよな。借金で首側回らないとはいっても金はあるからどうとでもなるしどうとでも周りがさせるんだな。セクハラ整体師はなんなんだよ。薬師前さんかわいいこの作品の良心だ。2025/02/28
笠
4
3.5 新刊読了。ただ依頼人のための利益になることを追求するというのが九条にとってのプロ意識なのかもしれないが、結局職業倫理なきプロ意識って、悪とは言わないまでも究極の無責任なのでは、という気もする。ある意味で刀鍛冶や武器商人と似てるかも。ただよく斬れる刀や、性能のいい銃を作ることを追求し、それがどんな結果をもたらすかには責任を持たない。反社のために法知識を振るうことが社会に何をもたらすのか、九条はどう考えているのか、あるいは考えないようにしているのか。2025/01/21