小学館101新書
裁判長!話が違うじゃないですか―国民に知らされない裁判員制度の“不都合な真実”

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784098250318
  • NDC分類 327.6
  • Cコード C0230

内容説明

くじ引きで選ばれた国民が、殺人や現住建造物放火など死刑判決の可能性もある重大刑事事件の裁判に参加する裁判員制度。その実施時期が間近に迫った今、次々と見えてきた「不都合な真実」。凄惨な遺体損壊写真は娘の心に深い傷を残し、夫婦間にも一生の秘密を持つことを国家が強要する。刑事司法が家庭に入り込んでくることの真実の姿と裁判員法の重大な憲法違反の数々を、家族問題の専門家と元東京高裁裁判長が、あますところなく暴く。元裁判長による「模擬・裁判員法違憲決定」も全文掲載。

目次

第1部 市民が抱える不安(裁判員制度は家族の問題;裁判官のようにふるまえるのか;3日間も仕事を休めないのではないか;日本人は人を裁くことが苦手ではないか ほか)
第2部 法律家が指摘する問題点(こんな制度が、なぜできたのか;裁判所に呼び出されても無視していいのか;だれでも裁判官の役目が務まるのか;裁判員制度は裁判を速くするのか ほか)
第3部 模擬・裁判員法違憲決定
資料 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律

著者等紹介

池内ひろ美[イケウチヒロミ]
1961年(昭和36年)岡山県生まれ。1995年(平成7年)前向きな離婚の経緯を綴った「リストラ離婚」を執筆。同書がベストセラーになったのをきっかけに、1996年(平成8年)「東京家族ラボ」を設立。夫婦・家族問題のカウンセリングを行なう。「裁判員制度はいらない!大運動」呼びかけ人

大久保太郎[オオクボタロウ]
1928年(昭和3年)兵庫県生まれ。東京大学法学部卒。1956年(昭和31年)裁判官任官。最高裁調査官、東京地裁判事、同部総括判事、那覇家裁、那覇地裁、長野地裁兼家裁各所長、東京高裁部総括判事を歴任し、1990年(平成2年)退官。「裁判員法の廃止を求める会」代表代行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Humbaba

4
大本にある目的が適切なものだったとしても、それを正しく運用しなければ寧ろマイナスになってしまう。新しいもので、かつ多くの人の生活に関わるような内容のものを導入するときには、充分な検証が必要不可欠である。そして、検証というのは本当に導入するかが決まっていない状態でやるべきものであり、結論があってそれへと導くものであっては意味が無い。2015/03/05

ラスコリ

3
裁判員制度の欠陥を見事に述べている。 そもそも裁判に「市民の声を反映」させること自体が間違っている。 裁判官の出す判決が市民感覚と合わないのは、事実認定や法律の解釈や当てはめを知らないからだ。 そんな中で、数日の審議だけで「死刑」をも判断させるこの法律は被告人だけでなく、裁判員、市民に悪影響が出る。 2014/11/20

Humbaba

3
司法に対して市民が参加するために策定された裁判員制度.しかし,それは国民に充分な周知徹底がなされているわけではない.裁判員制度が行われるのは重大な事件に対してのみである.そして,そのような事件で証拠品を見るということは,それだけでも一般人にとってはトラウマを負うような事になるかもしれない.2011/01/19

Naota_t

1
読んでいてひしひしと感じたのは著者の法学リテラシーのなさ。 そもそも自分は裁判員裁判には賛成なので、著者とは折り合えない。 世間が裁判官の価値観が“市民感覚”とズレているとdisった結果が裁判員裁判なのに、それができたら「しんどい」から参加したくない、と。 それは勝手過ぎるし、自分の判断で重い刑とか求刑したくない!とか言うけれど、裁判員裁判は第1審だけで、控訴されてもちゃんとその第1審が妥当な判断だったかを精査するんだからそこまで気負うこともない。2012/04/30

Special77

0
私は大学で憲法や刑事訴訟法を学び、これらの法の精神が、市民の人権を守るためのものであることを理解してきた。裁判員制度は、その精神を「市民感覚」という美名のもとに踏みにじるものであると、この本を読んで改めて感じた。「市民感覚」とは、非常に流動しやすく、感情的な行動につられ、誤った判断を下したり、裁判員が偏見の持ち主である場合がある。裁判官の不当な判決が問題になることがあるが、市民はそれ以上に不当な結論を出すことが多い。「市民感覚を反映させよ」などと言われるが、裁判に市民感覚など反映させてはならないのである。2015/06/21

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