出版社内容情報
日本人の魂を揺さぶる鮮烈で荘厳な自然讃歌
写真家生活50年、1969年の作品集『アルプス』以来“地球再発見による人間性回復へ”を撮影理念に前人未到の偉業を数々成し遂げてきた世界的写真家・白川義員のシリーズ第11作。取材5年、撮影地点4万6600ヵ所。取材費4億円を投じ、空から陸から海から、徹底的に撮り下ろした中から選りすぐった402点が一冊に収録されています。
これが日本?と誰もが驚く原初の風景は、自然が発する凄絶な感動と深遠な畏れを感じさせます。幻想的な日没の風景、想像を超えた変化を見せる四季の彩りこそ、日本人の繊細な感性や美徳を育んだ、みずみずしく麗しい日本の姿です。人工物に囲まれた生活で人間が大自然と敬虔に向き合うことがなくなったのが現代社会の精神の荒廃を招いている、今こそ日本が世界に誇れる荘厳で麗しい国であることを再発見してほしい、というのが著者の願いです。
A3判ならではのスケール感と最高の印刷技術による臨場感たっぷりの写真編388ページ。128ページの解説編には、著者が全点の作品解説と撮影紀行文を書き下ろしました。100年後の日本人へと伝え残したい日本のすばらしい姿が凝縮された、価値ある一冊です。
【編集担当からのおすすめ情報】
「知っている場所のはずなのに、白川作品で見ると何か違う……」そう思うのはなぜかといえば、「どの季節のどの時刻にどう撮ればどんな作品になるか」ということを厳密にイメージしてそこに立つからなのです。「解説編」128ページには、撮影時の状況から裏話、独自の自然観、文明観まで写真家自ら書き綴っています。読み応えたっぷりで、作品の魅力も倍増します。
◆作品編 (388ページ)目次
第1章名岳 第2章名瀑 第3章湖沼 第4章森林・巨木
第5章渓谷・河川 第6章高原 第7章湿原 第8章海浜・島嶼
◆解説編 (128ページ)目次
序 日本列島、人間の意識の根底に迫る
山折哲雄 ……4
序 努力と勇気、類まれな想像力
安藤忠雄 ……6
はじめに 白川義員 ……10
本書の作品解説について ……12
第1章 名岳 ……13
火山国ならではの名山風景 鎌田浩毅 ……14
撮影紀行 ……16
作品解説 ……22
第2章 名瀑 ……35
悠久のなかの滝と日本人の魂 秋道智彌 ……36
撮影紀行 ……38
作品解説 ……42
第3章 湖沼 ……47
変化に富む湖沼が彩る列島 辻井達一 ……48
撮影紀行 ……50
作品解説 ……54
第4章 森林・巨木 ……61
森林は雨が育てる、森林は文化を育む 只木良也 ……62
撮影紀行 ……64
作品解説 ……66
第5章 渓谷・河川 ……69
大地に刻まれた山、川、森の複合美 小野有五 ……70
撮影紀行 ……72
作品解説 ……74
第6章 高原 ……77
驚きと感動に満ちた日本の高原 小泉武栄 ……78
撮影紀行 ……80
作品解説 ……83
第7章 湿原 ……87
湿原が語る日本列島の歴史 辻井達一 ……88
撮影紀行 ……90
作品解説 ……92
第8章 海浜・島嶼 ……95
生命に満ち溢れた海洋列島 安田喜憲 ……96
撮影紀行 ……98
作品解説 ……104
収録作品リスト ……117
『永遠の日本』撮影関連地図 ……118
白川義員略年譜 ……124
あとがき ……126
感想・レビュー
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