出版社内容情報
アートとして再発見する「たばこデザイン」
昭和カルチャーの再評価に伴い、当時の家電、日用品、食品等のプロダクトデザインが人気です。そんな「昭和デザイン」の中でも、「たばこパッケージ」は、杉浦非水、レイモンド・ローウィ、田中一光、和田誠など、デザイン史に名を刻む一流デザイナーたちの手による、いわば「デザイン遺産」です。今回、「たばこと塩の博物館」の協力により、昭和の「たばこのパッケージ」の中から、特にデザインについて評価の高い「作品」を厳選。てのひらに載る小さなアートに秘められたデザインヒストリーを紐解いていきます。昭和初期の記念ゴールデンバット、チェリー、光から、高度経済成長期に次々発売されていった、ご成婚、五輪、万博、新幹線開通などの記念ピース、はたまた80年代に一世を風靡した観光たばこなど、レギュラー品以外の貴重な限定デザインも多数掲載。さらに時代を映す鏡としての広告ポスターなど、たばこにまつわる様々なデザインを紹介。昭和とはまさに「たばこの時代」だったことを再発見する1冊です。禁煙時代の今、吸わない人にも見てほしい、知られざるプロダクトデザインのマスターピース図鑑。限りなく発売当時の色彩に近づけた印刷にもご注目ください!
【編集担当からのおすすめ情報】
昭和時代に発売されたたばこのパッケージの中から特にデザイン的に評価の高い「作品」約300点を掲載しました。特に見ていただきたいのが記念たばこです。昭和初期のモダンでカラフルなゴールデンバット、チェリー、光の限定デザインバージョン、そして戦後、奇跡の復興、高度経済成長を応援した数々の記念ピース群。東海道新幹線開通、マナスル登頂、五輪の競技別パッケージなどは既刊書籍未掲載の貴重なビジュアルです。今はもう作ることができないたばこパッケージデザインの歴史的名作ををお楽しみください。
【目次】
6
【Introduction】
アートとして再発見する昭和のたばこパッケージデザイン
たばこと塩の博物館
7
1926-1945昭和元ー20年
杉浦非水とたばこデザインの黎明期
昭和モダンから戦時下へ
19
大日本帝国の記念たばこ
美しさと儚さ
31
1945-1954昭和20-29年
インダストリアル・デザインの伝道師
ローウィとその後継者たち
43
1955-1964昭和30-39年
気鋭のグラフィックデザイナー
和田誠とハイライトの伝説
51
戦後ニッポンの記念たばこ
奇跡の記憶
67
1965-1974昭和40-49年
喫煙率、男性84%・女性18%の時代
たばこ文化とデザインの広がり
75
1975-1984昭和50-59年
たばこ自由化、激化する国際競争
日米たばこデザイン対決
81
1985-1988昭和60-63年
昭和の終わりと禁煙ブームの中で
たばこデザインは時代を映す鏡
86
琉球たばこの世界
88
観光たばこで旅するニッポン
94
明治・大正・平成のたばこ
96
【索引】