出版社内容情報
輪廻転生と夢見が紡ぐ、ファンタジックな王朝物語。
中国と日本を舞台に、夢のお告げと生まれ変わりをモチーフにした、不思議な王朝物語『浜松中納言物語』が、詳細な頭注と初めての全訳付きで登場。三島由紀夫が学習院時代に、恩師松尾聰博士からこの物語の講義を受け、それに触発されて『豊饒の海』を執筆するに至ったことはつとに知られています。 主人公中納言は、亡き父が唐土の皇子に転生したとの夢告げを得て、渡唐する。かの地で皇子の母后と恋に落ち、一子を儲けて帰国、吉野で巡り逢った唐后の義妹に思いを寄せるが式部卿宮に奪われ、やがて彼女の胎内には唐后の生まれ変わりが宿る――。 平安後期に生まれた、荒唐無稽なファンタジーをぜひご一読ください。
池田 利夫[イケダ トシオ]
著・文・その他/翻訳
内容説明
輪廻転生がつむぐファンタジー。主人公中納言は、亡父が唐土の皇子に転生したとの夢告げを得て渡唐する。かの地で出逢った唐后との恋と別れ。数奇な宿命に彩られた物語が始まる。
著者等紹介
池田利夫[イケダトシオ]
1931年、神奈川県生まれ。慶応義塾大学卒。文学博士。中古文学専攻。鶴見大学文学部日本文学科教授。主著に『源氏物語の文献学的研究序説』『日中比較文学の基礎研究』(以上、笠間書院)『更級日記 浜松中納言物語攷』(武蔵野書院)ほか
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かみしの
5
そもそも平安時代に中国を舞台にした小説が書かれているという時点で異端だ。しかも転生した親に会いに行くというとんでもない話。確かに中国なのに和歌でコミュニケーションしていたり、色々おかしなところはある。けれど、和漢朗詠集の漢詩を朗読したり、故事を模倣したり、ある種「有名なあれこれに憧れる日本人」的な作品でとても面白いと思う。今回は語法を調べる目的でざっとしか読まなかったので、また腰を据えて読んでみたい。三島由紀夫も影響を受けたらしいし。2013/10/31
中将(予備役)
0
豊饒の海に感化され読んだ。難解な内容に加え、登場人物の名前が覚えられず、畢竟よくわからなかったというのが正直な感想である。根底にある「因縁」の発想や海を越え転生する(「暁の寺」のような)物語の壮大さは少しだけ感じられたかと思う。2013/02/09
kinaba
0
少女小説の原型のようなものは確かに1000年変わってない感ある2012/10/04
鴨の入れ首
0
平安後期に成立した王朝物語の1つです。この『浜松中納言物語』は『源氏物語』のすぐ後に出現し、明らかに『源氏物語』の仏教説話風アレンジ物語と言ってもいい内容でした。テーマとストーリーに余りまとまりがないので、物語の発端と言うべき首巻が散逸しているのが誠に残念です。読んでいて大変勉強になりましたし、改めて『源氏物語』の凄さを実感しました。2024/10/15
みどりです
0
なんで売っちゃったんだろ、くそ、読みたいな2023/09/20
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