内容説明
「死後の生」があるからこそ、逝く人にも、送る人にも、なすべき大事なことがある。医師として大勢の死に逝く場面に立ち会い、ときに他界の存在をかいま見て理解した、生と死の意義。死は終わりでない。新しい生命への旅立ちである。旅立つ魂を見送る臨床医の温かいまなざしの書。
目次
第1章 お別れは必ず訪れる(死が不幸であるという誤解;「この世」と「あの世」をつなぐ三つの原則 ほか)
第2章 逝く人の作法(自分史を書くことで自分も癒される;伝えておくべきことは書き残す ほか)
第3章 送る人の作法(現世の卒業生に敬意を払う;逝く人との「歴史」を振り返る ほか)
第4章 幸せなお別れを約束する言葉(言葉は相手を救い、自分を救う;「ありがとう」深い感謝を伝え、意識と思考を変える ほか)
第5章 「あの世」を知れば、「この世」がわかる(あの世はこの世と似て非なるもの;亡き母が教えてくれた、あの世の様子 ほか)
著者等紹介
矢作直樹[ヤハギナオキ]
1981年、金沢大学医学部卒業。その後、麻酔科を皮切りに救急・集中治療、外科、内科、手術部などを経験。1999年、東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻および工学部精密機械工学科教授。2001年より東京大学大学院医学系研究科救急医学分野教授および医学部附属病院救急部・集中治療部部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アイスマン
16
余命いくばくかの人に「最期に行きたい場所は?」と尋ねると「思い出の場所へ行きたい」との答えが多い。 大切な人の思い出の場所を把握しているだろうか。 本人の死後、家族からこんな後悔の念が聞かれる場合も多い。「無理をしてでも連れて行ってあげれば良かった」と。2018/09/26
シンプル
10
第4章の「幸せなお別れを約束する言葉」がよかったです。お別れに限らずこれからの人生に改めて意識して心を込めて使って生きたい言葉がたくさんでした。ありがとう。助かります。おかげさまで。大丈夫。やってみたら。それでいいんですよ。何とかなる。いただきます。など••なかでも「またね」の「また」に込められた3つの再会の解釈にぐっときました。それから「幸せでした」は伝えた相手の生きる活力を増大させる言葉とか。確かに言われたらそれこそ幸せだろうと。自分自身そう言えるそう言い切れる日々を過ごしているか?考えさせられました2014/07/05
黒木 素弓
9
東大附属病院救急部の先生の本だから、死に関する現実的な『作法』を書いた本だと思ったら、意外や意外、とってもスピリチュアルでした。たくさんの死を看取っている先生だからこそ感じる“人間には計り知れない存在”そして“魂の存在”。とても興味深く読みました。何気なく買ったこの本との出会いは、まさに今、必要であったと思います。今のうちに、愛する娘たちに手紙を書いておこうと決心しました。第4章の「幸せなお別れを約束する言葉」は、死に面している人でなくても日常的に使えるとても優しい言葉集です。ぜひ活用したいと思いました♪2015/10/03
にゃおにゃお
4
なんともわかりやすい。 いろんな本で知ったことの集大成でした。 自分もいずれは迎えるこの世とのお別れを きちんとできるように、日々精進していきます。2019/06/17
ゆき
3
ここのところ、矢作さんの本を何冊かまとめて読んでいる。 個人的には、死ということにはまだ実感できることがとても少ないのだが、送る方も、やがて来る逝く自分自身にも置き換えて考えることが大事なんだと思った2015/06/23