出版社内容情報
60年代からの数度にわたる旅で見つめ続けたシルクロードの歴史と風土、さらに、ソ連崩壊後の中央アジアがかかえる民族紛争にもふれつつ、そこに生きる人々の生活と社会の変貌を歴史家ならではの視点から語る。
大草原と広野のひろがるユーラシア大陸を自由にさまようことを夢み、ヒマラヤやチベットに憧れた著者は、一九六七年にはじめてヨーロッパやソ連、中央アジア、パキスタン、インドをまわりユーラシアを一巡した。そして一九七一年には車で一八○日をかけて、ユーラシア大陸四万キロの道を放浪。以来三○年にわたり、中央アジアやチベット、インドなどをくりかえし歩いてきた。その間、チベットで高山病に倒れ、チャンタン高原では危うく命を落としかけた。なぜそんな危険をおかしてまで辺境の旅を続けるのか。著者は、山への憧れや、歴史家としてシルクロードの歴史や遺跡に関心を持つ以上に、そこに暮らす人々がどう生きているのか、どんな状態にあるのかに重大な関心を寄せる。 本書では、六○年代からの旅で見つめ続けたシルクロードの歴史、風土、社会の変貌を歴史家ならではの視点から語る。とくにソ連崩壊後の中央アジアがかかえる民族紛争によって激変した国々についての記述に力をそそぎ、「なぜシルクロードは平和でありえないのか。こうした現実から眼をそらしてシルクロードの詩情にひたり、歴史懐古にだけ耽っていることはできない」と綴る。著者30年にわたるシルクロード紀行の総集編
内容説明
なぜシルクロードに平和はないのか。30年にわたる旅で見つめてきたシルクロードの歴史と変貌。
目次
第1章 タクラマカンへ
第2章 シルクロードの途上で
第3章 チベットの奥地から
第4章 西アジアを行く
第5章 中央アジアの大地
第6章 インド世界と日本