出版社内容情報
「倭の水人は、海中に潜り、大魚の難をさけるために入墨をする」と『魏志倭人伝』に記された「倭の水人(海人)」とは? そして入墨とは、その文様は?
「倭の水人は、海中に潜り、大魚の難をさけるために入墨をする」と『魏志倭人伝』に記された「倭の水人(海人)」とは? そして入墨とは、その文様は? 古代海人族の実像を永年にわたって追い求めつづけた民俗学者・谷川健一氏が、この先史・古代史の謎にいどみ、南島はじめ各地に伝わる言語伝承、地名伝承、古文献をもとに、海蛇を祖先として祀る古代潜水民のおどろくべき習俗、信仰、世界観を明かにしている。 また、中世のころ、はるか沖縄にまで鉄や石鍋を伝えた長崎の家船民や、伊勢の海人、松浦党の海人、そりこ漁民の伝承・習俗をとおして、古代海人族の末裔・アマベたちの痕跡を復元し、古代海人族の実像を考究している。 このほか、古来、日本人が外国、すなわち海の彼方から寄りくるものに、どのような思いをよせ、接していたかを、興味深い民俗事例をもとにさぐるなど、いずれの論考も、文献史学や考古学などの分野からはけっして解明しえない、古代史の深い闇に迫る労作である。
内容説明
古代海人は海蛇をみずからの祖先とし、信仰していた。幼年時から海にあこがれ、海人の姿を追い求めつづけた民俗学者が解明する、古代海人の信仰と世界観。
目次
第1章 古代海人の世界
第2章 漂海と移住の海人
第3章 海彼の来訪者